【働く時間は短くして、最高の成果を出し続ける方法】

インフォメーション
題名 | 働く時間は短くして、最高の成果を出し続ける方法 |
著者 | 越川 慎司 |
出版社 | 日本実業出版社 |
出版日 | 2020年7月30日 |
価格 | 1,650円(税込) |
ポスト・コロナの知的生産術。
元マイクロソフト役員として2017年から「リモートワーク」「週休3日」を導入、600社・16万人を変えた、時短とハイパフォーマンスを同時に実現する「新しい働き方」。
ぜい肉時間を減らして、筋肉時間に注力せよ!
引用:日本実業出版社
ポイント
- 労働時間を減らすだけの時短は生産性が落ちる。
- 成功している企業は、未来に必要な時間への再配置をやっている。
- 「当たり前の仕事」を疑うことから改善は始まる。
サマリー
はじめに
労働時間の削減を目指す企業が増えている。
同時に成果を上げることへの圧力も高まっている。
より少ない労力で大きな成果を残す人材こそで、現代の社会で生き抜くことができる。
本書では、正しいところにエネルギーを注ぎ、少ない時間で大きな成果を上げる働き方を紹介する。
「時短」は目的ではない
不確実で、複雑で、将来が予測しにくい現代では、働くことの価値観の転換が必要となる。
働く人々には、労働の「時間提供者」ではなく、「価値提供者」になることが求められる。
しかし、「時短」を目的化してはいけない。
労働時間を減らすだけの時短は生産性が落ちる。
社員のモチベーションの低下を招くこともある。
成功している会社は、「How(どうやって=手段)」ではなく「Why(なぜ=目的)」で考える。
どうやって社員を早く帰らせるかを考える前に、なぜ早く帰れないのかという根本的な原因を探るのである。
そのためには、「内省」を習慣にすることが欠かせない。
仕事のどこにムダがあったかを見つけて、少しずつ改善。これを繰り返すことで、新たな時間が生まれる。
業務の「棚卸し」と時間の再配置
働き方の改善は、ムダな時間を可視化することから始まる。
まず、利益に大きく貢献していて効率化できないコア業務と、効率化できる定型業務を「棚卸し」する。
そして、定型業務をITやアウトソースなどで「圧縮」する。
成果につながり人間にしかできないコア業務は、減らさずに「拡大」する。
さらに、ここで生み出された時間を、未来に必要な時間に再配置する。
「新たなビジネスの開発」と、「スキル習得」の時間である。
必要なスキルは自ら選択し、身につけることが成長を促す。
また、人との交流を通して、業務の設計力や交渉力を磨くのも大切である。
成功している企業は、この未来に必要な時間への再配置をやっている。
時間を削るのではなく、時間を生み出すイメージで未来に向けて投資しているのである。
時間泥棒を探す
仕事の三大「時間泥棒」は、社内会議、資料作成、メール処理である。
会議は、「情報共有」「意思決定」「アイデア出し」の3種類しかない。
「情報共有」は、集まることが目的になっている場合が多い。デジタル化して、対面の会議はなるべく減らすべき。
特に経営会議は「決める会議」にするべきである。
「アイデア出し」は、対面の方が効果的であるが、重要なのは「会話」である。
会議ではなく、メンバー間の会話の機会を増やすこと。
会議には、必要ない資料が「過剰な気遣い」で作られ、そこに多くの時間が費やされる。
必要な資料かどうか、事前にしっかり確認すること。
そして資料は、相手をよく知り、相手を動かす情報を提供し、「伝える」ではなく「伝わる」ものを作る。
また、完成度20%のドラフト資料を提出先に先に見てもらうことで、差し戻しの発生率が減る。
メールは、添付ファイルを探したり、メールで案件に関わる人を探したりなど、生産性の低い作業に時間をかけてしまう。
読まれにくい長文のメールも多い。CCによってもメールの流通量がふくれ上がる。
それらの「当たり前の仕事」を疑うことから改善は始まる。
社内のコミュニケーションは、チャットツールがおすすめ。時候の挨拶などがなくなり、円滑になる。