【世界一孤独な日本のオジサン】

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目次

インフォメーション

題名世界一孤独な日本のオジサン
著者岡本 純子
出版社KADOKAWA
出版日2018年2月10日
価格902円(税込)

 

 

日本のオジサンが危ない。「孤独」は日本の最も深刻な病だ!

日本のオジサンは世界一孤独だ。寂しく、不機嫌なオジサンにならないために、今から何をしておくべきか。人生後半戦を豊かに生きるために、30~50代のうちから読んでおくべき本。

「孤独」は健康リスク
2018年1月17日、イギリス政府が「孤独担当相」を新たに任命するという衝撃的なニュースが世界を駆け巡った。「孤独」は今、世界各国で、今世紀最大の「伝染病」として危惧されている。

孤独のリスクは、1日たばこ15本を吸うことやアルコール依存症であることに匹敵。運動をしないことや肥満を上回り、孤独な人は早死にするリスクがそうでない人に比べ50%も高い。

しかし、実はイギリスより事態が深刻で、「世界一孤独な国民」、それは日本人だ。「孤独」はもはや、「国民病」として、多くの人の心身を蝕んでいる。人々や政府の関心が急速に高まり、対策が進められる海外に比べ、日本では、国も人々もメタボやがん対策などには力を入れても、この「万病のもと」に関心を向けることはあまりない。特にこの「孤独」の犠牲者になりやすいのが、中高年の男性だ。その大きな原因は、日本独特の社会環境やオジサンの「コミュ力」にある――。

本書では、日本における「孤独」の現状やその背景を探りつつ、「孤独対策」先進国イギリス・ルポなども収録し、将来、孤独にならないために、30代から始めておくべき具体的かつ有効な対策を提示する。

引用:KADOKAWA

ポイント

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サマリー

はじめに

 あなたの健康をむしばみ、寿命を縮めるものがある。それは「孤独」だ。ありとあらゆる病気を引き起こす可能性のある最も危険なリスクファクターなのである。

健康のため、食事制限や、お酒・たばこを控え、ダイエットを行う人は多い。しかし、「孤独」の健康影響について理解し、具体的に対策をしようなどと考える人はあまりいない。

都市化、核家族化などの進展とともにグローバルにこの問題は拡がっているが、その中でも最も事態が深刻で、「世界一孤独な国民」、それは日本人だ。そして、この「孤独」の犠牲者になりやすいのが、中高年男性なのである。

なぜ、日本人が孤独なのか、孤独はいかに人間の心と体をむしばむのか、コミュニケーションと孤独の関係性、そして、なぜ男性が特にその犠牲になりやすいのかなどを解説していく。

孤独なオジサンたち

心配なのは「きょういく」と「きょうよう」

「身の回りに孤独な男性はいるか?」そういう質問をすると、「いる」と答える人があまりに多いことにびっくりする。誰もが一つ・二つエピソードがあるのではないだろうか。

街中を見回してみると、昼間のフレンチレストラン、歌舞伎、お芝居、演歌歌手のコンサートなど、楽しそうな「おばちゃん」の集団はそこかしこで見かけるが、中高年男性の「群れ」を見かけることはほとんどない。

老後で大事なのは「きょういく」と「きょうよう」があることだという。

「今日行くところがある」「今日用事がある」を「オジサン」達は求めている。

「高齢男性のひきこもり」という大問題

東京都のある区の福祉に携わるEさん。ここ10年ほどで人々の絆や繋がりが急速に希薄化していると実感している。都心では隣近所とも付き合いがなく、それぞれの家がまるで「独房」のように孤立しているところが多い。大都会の谷間にはこうした多くの「寂しい人たち」が埋もれている。

孤立を防ごうと、集会所などを会場に各地区の住民が主体となって高齢者が集まる「サロン活動」を展開している。しかし、来る人は9割5分が女性だという。女性ばかりの場所に来るのは、男性にとって居心地が悪いらしい。

男性高齢者は、ボランティア活動への参加や、介護サービスを避ける傾向もあるという。しかし、活動に参加し、人々とつながって、息を吹き返したように生き生きとした表情をする人もいる。「”やせ我慢”する男性」たちに抜本的な解決策はなかなか見当たらない。「高齢男性の”ひきこもり”はこれからもっと、もっと深刻化する大問題」。将来を考えると暗澹たる気持ちにならざるを得ない。

孤独は「死に至る病」

パンデミックかする「孤独」

2018年1月17日、イギリス政府が、「孤独担当相」を新たに任命すると発表して、世間を驚かせた。メイ首相が評するように「孤独は現代社会の悲しい現実」であり、看過できない近々の課題であるという認識が広がっている。

ここ数年「孤独というエピデミック(伝染病)」という考え方がある。

シカゴ大学の心理学者、ジョン・カシオッポ教授らが発表した研究によると、孤独な友人を持つ人が孤立感を覚える確率は、孤独ではない友人を持つ場合より52%も高く、友人のそのまた友人の友人にまでそうした「伝染効果」は及んだことを突き止めた。そのうえで、「寂しさがインフルエンザのように人から人へ感染する」と結論付けた。

そもそも、「楽しい」「悲しい」「恐い」「怒り」などといった「感情」は周囲にいる人を同じ気分にさせる「伝染効果」を持っている。

孤独な人が引きこもれば、その周りにいる人も孤独になり、孤独の連鎖が起きていく。人は寂しくなると他人を信用しにくくなり、友人関係を構築するのがさらに難しくなる悪循環に陥るとも指摘している。

孤独というサイレントキラー

日本でも、独居老人が、たった一人で死を迎える「孤独死」が問題視されて久しい。物理的に孤立することで、体調に変化があっても気づかれず、適切なケアが受けられず、死に至ることへの恐怖感は多くの日本人に共有されている。

しかし、本質的な問題は、一人で死んでいく「孤独死」ではなく、「孤独による死」である。

 「孤独」は、まさに「万病のもと」だ。気づかぬうちに、多くの人の心と身体をむしばみ、その寿命をすり減らしていく。

おわりに

たいていの人は「幸福」になりたいと思っているだろう。

お金、健康、仕事、成功。人生には幸せにかかわる様々な条件があるが、人の幸福を決定づける最も重要な要因は、「真に信頼できる親密な関係性を他人と気づくことができるか」である。

多くの権威ある研究が、こう結論付けている。

今、世界で「孤独」は大きな社会問題となっているのに、日本でその話が取りざたされることはほとんどない。人は誰でも「他の人とつながりたい」という本能的欲求を持っている。

ソーシャルメディアがこれだけ普及したのはまさに、人々が「認められたい」「つながりたい」という気持ちを強く持っていたからだろう。

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