【こうして、人は老いていく 衰えていく体との上手なつきあい方】

インフォメーション
| 題名 | こうして、人は老いていく 衰えていく体との上手なつきあい方 |
| 著者 | 上村 理絵 |
| 出版社 | アスコム |
| 出版日 | 2024年2月 |
| 価格 | 1,540円( 税込) |
「最近、できないことが多くなって、年を感じる」
「歩くのがしんどくなってきた」
「疲れやすくなってきて、体を動かすのがおっくう」
「できれば介護で家族に迷惑をかけたくない」
「将来、寝たきりにならないか不安」
こんな「老い」に関する悩みや不安を持っている方は、ぜひ読んでほしい1冊。
寝たきりを予防するには、ウォーキングをしておけば大丈夫。
60歳以上になったから、転倒予防のために家に手すりをつける。
寝起きがラクになるので、ベッドに替える。
入院生活から戻ってきたら、体力温存のためにしばらくは絶対安静にする。
これらはすべて「正しい老化との付き合い方」とはいえません!
高齢者の身体機能維持のためのリハビリを20年以上続けてきた、
著者だからこそ語れる、加齢で老いていく体とどう向き合えばいいか、
本当に予防・改善できる方法を教えます。
何をするにも、どこにいくにも、健康な体があってこそ。
残りの人生を楽しく過ごすためにも、
本書を読んで、老化に負けない、元気な体を手に入れましょう!
引用:アスコム
ポイント
- 老化の個人差は、年齢を重ねるほど大きくなるように感じられるが、とくに「精神的な老化」は60代以降に急速に進むといわれる。主な変化として、肉体的な老化・ライフスタイルの変化・周囲の環境の変化があげられる。
- 精神的な老化が進み、自信を失うと、肉体的な老化も加速する。人が感じる「主観年齢」は心身の状態に影響し、主観年齢が若い人は衰えにくく長寿傾向にある。
- 人は自立感を持てると尊厳を保ち、自信をもって生きられる。自信を持つには小さな「成功体験」の積み重ねが有効だ。
サマリー
「老化の個人差」が生まれる要因とは
同じ年齢でも、若く見える人とそうでない人がいる。
この老化の個人差は、年齢を重ねるほど大きくなるように感じられるが、とくに「精神的な老化」は60代以降に急速に進むといわれる。
脳の老化も関係しているが、主に次の3つの変化が大きい。
- 肉体的な老化
体が思うように動かなくなったり、病気によって急激に衰えたり、記憶力が低下したりすると、それまでできていたことができなくなり、絶望感にとらわれる。 - ライフスタイルの変化
60歳を過ぎると、子どもの独立や定年退職などでライフスタイルが大きく変化する。社会との接点が減ると、自分の役割を失ったかのように感じ、喪失感を覚えることもある。 - 周囲の環境の変化
大切な人の死や、同世代の知人の大病など、身近な変化が増えることで、不安を抱きやすくなる。
こうした絶望感・喪失感・不安感は、意欲や気力といった精神的な若さを奪い、自信を失わせ、「精神的な老化」を進めてしまう。
「自信の枯渇」が肉体に与える大きな影響
精神的な老化が進み、自信を失うと、肉体的な老化も加速する。
人が感じる「主観年齢」は心身の状態に影響し、主観年齢が若い人は衰えにくく長寿傾向にある。
一方で、実年齢より上に感じる人は健康リスクが高く、認知症にもなりやすい。
著者の施設に通う鈴木さん(93歳)は、40代で起業し、80歳前後まで会長職を務めた人物。
若い頃からジム通いを続けていたが脳卒中を発症した。
しかし、「自分は絶対によくなる」と前向きにリハビリに取り組み、自分より若い世代を心配する姿勢を見せていた。
鈴木さんの主観年齢は実年齢よりはるかに若く、前向きな姿は93歳を感じさせなかった。
リハビリが「肉体」と「精神」の老化を防ぐ理由
リハビリで肉体的な老化を改善すれば、精神的な老化の改善にもつながる。
思い通りに体が動くようになれば、自己肯定感を取り戻し、自信を回復できるからだ。
ここで重要なのは、「以前と全く同じレベル」に戻すことだけが目標ではないということ。
