【なぜ働く？ 誰と働く？ いつまで働く？　限られた人生で後悔ない仕事をするための20の心得】

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はじめに

やりたいことが見つからない、自分の強みがわからない、今の仕事に満足できていない……。

本書は、こんな悩みを抱える人が、働く意味を見つけて、ありたい自分に近づくための本である。

働く環境が大きく変化する中で、仕事や働き方にぼんやりとした不安や疑問を抱える人が増えた。

そんな人たちも、ちょっとした問いをきっかけに自己理解が深まることがあるはずだ。

本書は、いろいろな角度から問いを提供して、あなたの中から答えを引き出していく。

自分で答えを出す思考や習慣を身につければ、一生の武器になる。

本書をきっかけに、後悔のない、幸福な人生を見つけてほしい。

言語化～自分のストーリーを語る～　あなたの知らない自分が見つかる

自分のことはよく知らない

自分のことはよく知らないか、知っていても言葉にできない。

「あなたはどんな人ですか？」と質問されると、返答は難しいものである。

自分自身の言語化は、誰にでもできる自己理解の強力な一歩だ。

自分についてなんとなく思っていることを言葉にするだけで、思いがけない発見が得られる。

言語化がうまくいかない人によくあるのは、「誤解されたくない」という気持ちである。

「醤油ラーメンが好きだ」と言うのなら本当に醤油ラーメンだけが好きでないといけない、と思い込んでしまう。

すると「いや、味噌も好きだし、塩ラーメンも嫌いじゃないかも……」と考えてしまって、結局自分のことがよくわからない状態になってしまうのだ。

言語化は「自己理解のプロセス」だと考え、まず「醤油ラーメンが好きだ」と言葉にしてしまおう。

他の味のほうが好みかもしれないと思ったら、次は食べ比べて確かめればいい。

そして今度は、どの味がなぜ好きなのかを言葉にする。

実は味噌ラーメンが好きだったなら、そう言えばいい。

そうすると、なんとなく「醤油が好き」だった状態から、もっと明確な「醤油より味噌が好き」に変わる。

そのようにしてあなたを語るストーリーができる。

新しい自分を見つけるコツ

新しい自分を見つけるために大切なのは、自己開示していくこと。

「エクセルが得意な後藤さんに、この集計を任せよう」など、特に仕事では、その人の特性を活かそうという合理的な判断がなされる。

後藤さんがエクセルを得意としていることを公開しているからこそ、それを活かすチャンスを引き寄せているのだ。

より多くの人にあなたのことを知ってもらうことが、キャリアの可能性を拡げる。

東京五輪2020で金メダルに輝いた入江聖奈さんは、カエル好きで、そのことはニュースなどでも取り上げられていた。

彼女のもとにはカエルグッズがどんどん集まってきたそうだ。

その後、彼女はカエルの研究者の道を歩んでいるというから、好きなことをやりたいことに結びつけた、見事なライフシフトといえるかもしれない。

価値化～自分の武器を見つける～　能力や実績よりも価値を信じてみる

誰と働くかであなたの価値は変わる

「自分の強みがわからない」と悩む人はたくさんいる。

キャリアを考えるうえでは、突出したセンスを持っていることよりも、蓄積してきた知識やスキルを「誰と働くか」という関係性の中で価値化するほうが大事である。

たとえば、営業職の人と事務職の人で、次のようなやり取りはよくあるだろう。

「お願いしたエクセルのリスト、ありがとうございます。わたしには絶対できないですよ」

「逆に私は毎日外で知らない人と話すなんて、とてもできないですから」

二人とも、自分には強みや才能は特にないと思っているかもしれない。

しかし客観的に見れば、それぞれがその関係性の中で価値を提供していることがわかる。

「誰と働くか」は意外と見落としてしまうが、一緒に働く人との関係性が価値をつくるのである。

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