【あきらめると、うまくいく - 現役精神科医が頑張りすぎるあなたに伝えたい最高のマインドリセット -】

インフォメーション
題名 | あきらめると、うまくいく – 現役精神科医が頑張りすぎるあなたに伝えたい最高のマインドリセット- |
著者 | 藤野 智哉 |
出版社 | ワニブックス |
出版日 | 2019年10月 |
価格 | 1,300円(税込) |
あきらめる。
それは、あるがままを受け入れるということ。
逃げ出すことでありません。
目の前にある現実を直視し、限られた自分の時間を有効に使い、人生を前向きに生きるために欠かせないマインドリセットの方法です。
「理想の自分像を捨てさる」
「いい人はやめて冷たい人になる」
「鈍感力で自分本位に生きる」
「つらい時は『ゆるゆる』と口にする」
たとえば、たったこれくらいのことを実践すれば、フッと肩の力は抜け、悩んでいたことがバカらしく感じるほど、なにもかもがうまくいくことがあります。
著者は幼いときにかかった川崎病が原因で、心臓に病をもちながらも、精神医学の世界で活躍している藤野智哉医師。
今でも心臓の薬が欠かせない藤野医師は、「どれだけ生きられるかわからない、と伝えられたときに新しい人生が始まった」と言います。
受け入れ受け流して、自分が好きな自分になる。
ゆる~くポジティブに人生を切り拓いていくための、最適な思考方法。
引用:ワニブックス
ポイント
- 「できないことはできない」と知ることはとても大事だ。できないと認めた上で、違う方策を考えることが重要である。
- 「いい人」とは他者の評価でしかない。いい人でいることをあきらめ、自分の気持ちをもっと伝えることができたら、もっと生きやすくなるだろう。
- 理想の自分がいて、現実とのギャップがあると、自己否定につながる。「自分はこうありたい」「そのためにはこうあるべきだ」という「べき思考」をあきらめて、自分を受け入れよう。
サマリー
はじめに
「あきらめる」とは、「あるがままの自分を受け入れる」ということ、そして「何かを手放す」こと。
それは逃げることではない。
目の前にある現実を直視し、限られた時間を有効に使い、前向きに生きるために欠かせないマインドリセット法である。
受け入れ、受け流す技術
あきらめる
「できないことはできない」と知ることはとても大事だ。
かけっこが遅い人に、運動会だから速く走れと言っても無理だろう。
できないと認めた上で、違う方策を考えることが重要である。
覚えることが苦手なら、メモをすればいい。
記憶することをあきらめたからこそ、次のステップに進める。
自分の考える幸せが「いつか南国に移住したい」だったら、お金がいる。
それなら残業なしで適当に働く、という選択肢はあきらめる必要が出てくる。
あきらめとは、人に対して過度な期待をしないことも意味する。
すべてがあなたの思うようになるわけでないと知っておくことも大切だ。
いい人をやめる
「いい人」だと思われたい欲求は当然である。
いい人だと思われると、みんなに愛されて大事にされる可能性がある。
生きやすいし、生き物にとって生存メリットがあるだろう。
誰かに好かれること自体は素敵なことだ。
だが、「いい人」とは他者の評価でしかない。
愛想笑いが多い、反論しない、断らないなど、「いい人」の行為は自分をすりへらす。
自分の気持ちをもっと伝えることができたら、もっと生きやすくなるだろう。
いい人でいることをあきらめる。
人の評価なんて気にせず、無理な仕事は「できないです」と口に出そう。
あるがままを受け入れる
より良い自分になることを目指すのは立派だが、理想の自分をイメージすることは、実は悪手である。
理想の自分がいて、現実とのギャップがある、それが我慢できない。
その結果が自己否定につながるのである。
「自分はこうありたい」「そのためにはこうあるべきだ」という「べき思考」を、あきらめることが大事だ。
自分の性格があまり好きになれないとしても、どこが嫌なのかを把握しつつ、まずはそれを受け入れることから始めてほしい。
怒りっぽいなら、怒りっぽい自分がいるという現実をまずは受け入れ、次にそんな自分を受け入れる。
我慢するのはもっと良くないし、きちんと発散できるほうがいい。
だったら怒り方を変えるのである。
怒りを上手にコントロールし、1回怒ったら引きずらないと決めること。
自分が好きな自分になる
自然体で生きる
自然体で生きるためには、構えたり力んだりしてはいけない。
イチロー選手は、バッターボックスに入ったときに必要以上に力まなかったという。
次はきっとこうなるだろう、と狙いを絞ってしまうと、もし違ったときに対応ができなくなってしまうからである。
大事なのは先入観を持たないこと、どんな状況になっても柔軟な姿勢で対応できることだ。
自然な状況とは、無理せず、背伸びせず、ストレスなく過ごせることであるはず。
仕事では多少の緊張やすれ違いは生じるものだが、そのひとつひとつを決して飲み込むことなく、違和感を抱いていることを認識しよう。
人からどう見えるかを気にせず、自分の居心地がいいと感じられる時間を過ごせばいいのである。
極論しない
二極思考や白黒思考と呼ばれる考え方がある。
これは、白か黒か、敵か味方かといった両極端な考えに陥りやすくなる傾向を指す。
他人は自分の思い通りになるわけがないのに、自分のもの差しで分類して、ふたつの入れものどちらかに入れてしまう。
しかし、世の中には、ふたつに分けられないことが山のようにある。
悪いやつだけどいいところもある、そんな場合のほうが多い。
白黒の選択肢の間には、さまざまな中間の選択肢があるはずだ。
常に100%を目指す必要はない。
高い目標に挑むときは、50%でも達成できたら自分を褒め、残りの50%は思いきってあきらめよう。
大切なのは、どちらかに極論しないこと。
人間はすべてがグレーゾーンだと思えば、失敗をしても気分が楽になる。