【絆徳経営のすゝめ 〜100年続く一流企業はなぜ絆と徳を大切にするのか?〜】

インフォメーション
題名 | 絆徳経営のすゝめ 〜100年続く一流企業はなぜ絆と徳を大切にするのか?〜 |
著者 | 清水 康一朗 |
出版社 | フローラル出版 |
出版日 | 2022年1月 |
価格 | 1,760円(税込) |
創業社長にこそ読んでほしい。
これぞ令和の「論語と算盤」!
コロナ禍を経て厳しい状況が続く現在、
これからの経営者はどうあるべきなのか――。
その答えは、実は日本にあります。
日本人が大事にしてきた和の精神で「絆」を結び、「理念」と「経済合理性」を両立していく――。
それを「絆徳(ばんとく)経営」と呼びます。
かつてない勢いで企業の経営は悪化し、倒産しています。
連動するように、消費者の価値観も大きく変化しています。
その影響を受けて注目されているのが、近年大きくクローズアップされているSDGsと言えるでしょう。
戦後は、西洋由来の利己的な成功哲学が広がりましたが、それは社会に「分断」をもたらし、多くの弊害を生みました。
この分断を解消し、サステナブルに発展していくように舵を切っていかなければ、もう企業は生き残ってはいけません。
実は、日本人は古来よりSDGs的な生き方をしてきたのです。
人や社会に配慮した「三方よし」の経営はその象徴であります。三方よしの経営理念は、何百年も前から日本人の経済活動に根ざした考え方でした。
しかし戦後急速な欧米化やテクノロジー化が進み、いつしか会社を経営するうえで、利益第一主義、株主第一主義の思想が広がりました。
地球温暖化などの環境問題が大きくクローズアップされるようになり、東日本大震災などの自然災害に見舞われ、新型コロナウイルス感染症拡大などによる社会の変化にともなって、今、改めて絆や社会や環境への配慮することの大切さが見直されています。
今こそ原点に立ち戻って、「三方よし」の経営思想を学ぶ時ではないでしょうか。
お客様、社員、社会の三方に対してよいことを実践し、絆を結ぶ。
それだけで組織は強くなり、より高い次元で理念と経済合理性を達成できるようになるでしょう。
30年、50年、100年と持続可能な経営を目指す経営者には必読の1冊です。
引用:フローラル出版
ポイント
- 現代の企業が理念と経済合理性を実現するためには具体的にするべきことはたった1つ。「相手によいことをして絆を結ぶ」ことである。
- 「絆徳経営」とは、近江商人の「三方よし」の精神を現代の会社経営に落とし込んだもので、ひと言でいえば、「相手によいことをするから、ずっと一緒にいられる」関係を目指すものだ。
- ピラミッド型の会社は、後継者が育たず、やがて会社は破綻する。破綻を免れるには、「雇用と教育」によって「中間層」を増やし、ピラミッド型の組織を「ダイヤ型」の組織へと進化させるしかない。
サマリー
「きれいごと」が経済合理性を生む時代になった
時代が変化すれば「理想の会社像」も変化する。
いち早くそれに「適応」した企業だけが生き残り、他社のモデルとなるレベルまでいち早く「体現」した企業だけが、この先の十年、三十年、百年と長く愛される企業へと深化していく。
私はそんな企業を、敬意も込めて「絆徳企業」と呼んでいる。
企業は何のために存在し、何のために利益を出すのか ―。
その哲学、理念がないまま目先の利益に走っても、絆徳企業にはなれない。
いま求められるのは「理念」と「経済合理性」を両立した会社経営だ。
理念として、お客様や従業員、地域社会のために「よいこと」を実践しつつ、利益もしっかりとあげていくのだ。
SNSが浸透した社会では、「きれいごと」こそが利益の源泉となり、 お客様の信頼を勝ち取るには、本気で「きれいごと」に取り組むしかないのだ。
現代の企業が理念と経済合理性を実現するためには具体的にするべきことはたった1つ。
「相手によいことをして絆を結ぶ」ことである。
より正確には、お客様、社員、社会の三方に対してよいことを実践し、絆を結ぶ。
それだけで組織は強くなり、より高い次元で理念と経済合理性を達成できるようになるだろう。
私はこれを「絆徳経営」と呼んでおり、これからの時代で必ず主流となるマネジメントスタイルだと自信を持っていえる。
これからの最強の資産は「絆」である
いま求められているのは、持続可能な深化した成功哲学だ
かつての日本では近江商人の「三方よし」に象徴されるような「絆」重視の商売が行われていた。
それが戦後、急速に西洋化するなかで、欧米流の成功哲学に塗り替えられて生き、絆も失われていったのだ。
ひづみが生じているのは日本だけではなく、アメリカでも、政治・経済の両面で行き詰まりをみせ、世界における影響力を失いつつある。
アメリカの財界組織であるビジネス・ラウンド・テーブルもこの現状を憂慮し、2019年には、これまでの「株式至上主義」を見直して、地域社会への貢献や環境保全なども重視していく方針を発表した。
いわば、従来の成功哲学から脱却し、持続可能な経営へ切り替わるよう、指標を転換させたのだ。
世界中でビジネスの在り方の根幹が変わろうとしている今、日本の中小企業経営者にも、新しく深化した哲学が求められている。
これからの経営者は、日本人が古来より大事にしてきた「道徳」と、西洋の「合理性」を融合させるべきだ。
戦前の日本のスタンダードであった「三方よし」の商売は、経世済民を目指した二宮尊徳氏や、近代日本資本主義の父と言われる渋沢栄一氏、そして、日立や日産、日本テレビ、日本水産などの一万社以上を創業・支援された鮎川義介氏、さらには日本を代表する企業を立ち上げた数多くの名経営者たちへと受け継がれていった。
今こそ日本人が大事にして生きた和の精神で「絆」を結び、理念と経済合理性を両立していくーー。
それが「絆徳経営」である。