【それ、捨ててみよう しんどい自分を変える「手放す」仕事術】
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読むのに必要な時間 約 7 分
インフォメーション
題名 | それ、捨ててみよう しんどい自分を変える「手放す」仕事術 |
著者 | 伊庭 正康 |
出版社 | WAVE出版 |
出版日 | 2023年6月20日 |
価格 | 1,650円(税込) |
ムダなことを捨てたら、時間も成果も手に入る!
●上司や取引先の人に言われたひと言を引きずり、ずっと考えてしまう。
●こだわりを持って仕事をしていたらなかなか終わらず、いつも残業。
●「考えても仕方がない」と頭ではわかっていることなのに、やめられない。
●真面目に頑張っているわりに成果が上がらないし、評価されない。
「なんでだろう?」「どうしたらいいのだろう?」
あなたにも、思い当たる節がありませんか。
一生懸命頑張っているのに成果が出ないのは、間違った努力をしているから。
もちろん真面目に頑張ることは大事ですが、何でもかんでもむやみに頑張るのは、効率的ではないし、結果的にムダです。
必要なのは、「成果が出ないことを手放す」こと。
結果が出ないこと、結果に影響しないことを潔く捨てれば、心も体も楽になり、自分の時間も増え、成果も手に入れることができます。
本書は、『そう言われても、いったい何を「捨て」たらいいのかわからない……』という方たちのために、
捨てるべきことと、やったほうがいいことを具体的にわかりやすく解説します。
できそうなところから読んでみましょう。
ページをめくるたびに、あなたが「捨てるべきこと」がわかり、同時に「やるべきこと」がみえてくるはずです!
引用:WAVE出版
ポイント
- 結果がでない行動はさっさと手放し、やるべきことを絞ることが重要だ。
- 感情の落ち込みから速く回復するには、ものごとの視点を1つでなく、3つ、4つと解釈を考えるものだ。落ち込み続ける人は、ひとつの考えにとらわれがちだからだ。
- 遠慮してNOと言えないなら、「配慮して伝えよう」との考え方である「DESC法」を使うとよい。
サマリー
はじめに
著者は現在、リーダー研修や営業研修、コーチングなどの講師として、年間200回以上登壇をしているが、前職では営業を担当していた。
営業の最初の頃は、とにかくがむしゃらに頑張り、残業の常連で、仕事に追われていた。
その結果、体が悲鳴をあげはじめ、上司に「残業は自己満足でしかない。やることを減らした方が成果が出るぞ」と言われたのだ。
これまでの自分の行動を思い返すと、いつもバタバタしている理由が見えてきた。
・「ムダかもしれない」と思うことも頑張る
・お客さまから頼まれた仕事を断れず、仕事を抱え込む
・何がポイントかわからず、あれもこれも手を出す
つまり、自分で余計な仕事を増やしていたのだ。
そこで、これらを思い切って捨てることにした。
・ムダなことは頑張らない
・シゴトは抱え込まない。優先順位をつけて、すぐやらなくていいことはやらない
・ポイント以外のことはやらない
その結果、残業もすることなく、トップセールスとして表彰されるようになった。
残業の常連から表彰の常連に、大きく好転した。
ムダなことを捨てたら、時間も成果も手に入れることができたのだ。
本書では、ムダはできるだけ削ぎ落し、やることはシンプルにする方法を紹介する。
ページをめくるたびに、「捨てるべきこと」がわかり、同時に「やるべきこと」が見えてくるだろう。
そして、「しんどい」と思うことがなくなるだろう。
ぜひその効果を実感してもらいたい。
スパっと「捨てる」からこそ結果が出る。
著者が20代前半の頃は、「がむしゃらにやること=頑張る」だと考えていた。
今は、結果が出ないことを頑張り続けるのは、自分にとってはリスクであり、会社にとってはコストでしかないと思う。
仕事の場合、まずは、相手が望むことを考える。
そして、効果から逆算して行動する。
思うような効果が出ないときには、潔く手放して別の方法を考えるのだ。
人は、得をする欲求より失いたくない欲求のほうが2倍も強いと言われている(プロスペクト理論)ため、今していることをなかなか手放せないものだ。
しかし、一定期間やっても成果が感じられないものは、往々にしてずっと続けていてもたいした成果は上がらない。
さっと手放し、切り替えるという潔さが大事で、頑張る前に、やるべきことを絞ることが大事だ。
視点を変えて俯瞰する――リフレーミング
感情の落ち込みから速く回復する方法として、「リフレーミング」というものがある。
ものごとを視点を変えて眺め、1つの解釈でなく、3つ、4つと解釈を考えるものだ。
何かを失敗した時、いつまでも悩み、落ち込み続ける人は、ひとつの考えにとらわれがちだからだ。
いろいろな視点を持つための3つの切り口がある。
1.「本当にそうなのか?」「ほかにないのか?」
仕事で、「自分に能力がない」「この仕事に向いてない」などと思ったら、「本当にそうなのか?」と考えてみるとよい。
他の理由を探るうちに、「ほかにできることはないか」と考えるようになる。
2.「周囲からみたらどうなのか」
「周囲の人がこの事例をみたら、どう考えるか?」を想像してみるとよい。
自分がしんどいと思っていることは、他人からみると「いい経験してるよね」くらいのことであることがほとんどだ。
3.「未来の自分から見たら、どう思うか?」
未来の自分が今の自分をみたらどう感じるのか?と考えてみることだ。
たとえば、50歳の自分が、35歳の自分を、人生の先輩として眺めるような思いで見てみるとよい。
いろいろな視点から自分を見られるようになると、落ち込みはなくなるものだ。
「NO」と言えない人に使える方法
誰かに頼まれると「NO」と言えなかったり、遠慮して相談することができなかったりする人もいるだろう。
そんな時、「遠慮して言えないなら配慮して伝えよう」との考え方である「DESC法」を使うとよい。
・Describe(描写)
まず、自分の意見をはさまず、状況だけを淡々と述べる。
・Explain(説明)
次に、自分の思いや意見を述べる。
・Specify(提言)
それから、具体的な提案、もしくは相談をする
・Choose(選択)
最後に、相手にどうするか?を選んでもらう。
例えば、上司から急ぎで資料をつくってほしいという依頼があったとして、すぐに取りかかれない時には、このDESC法を使うとうまく調整できる。
上司「この資料、急ぎでつくってもらっていい?」
あなた「わかりました。ただA企画様に30分以内に1本企画書を送らないといけないのです(D)。
とはいえ、急いで対応すべきだと思っています(E)。
そこでご相談なのですが、今日の夕方まででもよろしいでしょうか。
であれば、確実に資料を作成できると思います(S)。
お急ぎかと思いますが、ご都合はいかがでしょうか?(C)」
このDESC法はお客様や目上の人、言いたいことをいいにくい相手にも使うことができ、言いにくいことも角が立つことなく言えるので、多くの場面で活用してほしい。
From Summary ONLINE
本書を読み終わったら、なにかひとつでもいいので、「捨てる」と決めてみてほしい。実践することに意味があり、読んで満足して終わりにすることほど、ムダなことはないからだ。
もし、何を捨てていいか分からない場合には、「何かをやる」と決めてもいいだろう。
やると決めたことをこなしながら、同時に「やらないこと」「捨てるべきこと」を探してみるとよい。
「何かを捨てる」ことも目標にするのだ。
どんなに小さな一歩でも、踏み出すことで、確実に見える景色は変わってくる。その景色は今まで以上に清々しく、気持ちのいいものであることだけは間違いない。