【食品の裏側】

インフォメーション
題名 | 食品の裏側 |
著者 | 安部 司 |
出版社 | 東洋経済新報社 |
出版日 | 2005年10月 |
価格 | 1,540円(税込) |
廃棄寸前のクズ肉も30種類の添加物でミートボールに甦る。コーヒーフレッシュは水と油と添加物。元添加物トップセールスマンが明かす加工現場の舞台裏。知れば怖くて食べられない。
引用:東洋経済新報社
ポイント
- 食品添加物の専門商社に入社した著者は、工場や商店に添加物をどんどん売り、「食品添加物の神様」と呼ばれるまでになった。その仕事は社会にも貢献していると信じていたが、ある出来事でその信念がくずれ、違う道を歩むことになる。
- 著者は、食品や添加物の情報が消費者にあまりにも知らされていないことと、子どもへの影響が大きな問題だとしている。添加物を避けて生活することはほぼ不可能なので、上手に付き合っていくべきだという。
サマリー
はじめに
添加物の世界には、消費者には知らされていない「影」の部分がたくさんある。
どんな添加物がどの食品にどれほど使われているか、想像もできないのが現状だ。
本書はそんな「裏側」を告発する。
日本一の添加物屋を目指す
著者は、大学を卒業後、ある食品添加物の専門商社に入社した。
食品加工メーカーや、製造工場、個人商店などに添加物を販売するのが仕事である。
まず目にとまったのは、添加物の化学記号。
著者は大学で化学を専攻していたので、化学記号にはなじみがあった。
それでも、「亜硝酸ナトリウム」「ソルビン酸カリウム」「グリセリン脂肪酸エステル」などが、自分たちが口にする「食品」に使われていることには、軽い驚きを感じた。
だが、はじめて食品の加工現場を見たときの驚愕は、そんなものではなかった。
暗い土色の原料タラコが、添加物の液に一晩漬けると、赤ちゃんの肌のようなプリプリのタラコに変貌する。
ベージュ色のシワシワの干し大根が、添加物に漬けると、きれいな真っ黄色のたくあんになる。
歯ざわりもよく、誰もがおいしいと思う味になり、しかも従来品よりも低塩でできる。
著者は、添加物は魔法の粉だと心から感心し、日本一の添加物屋になろうと決意。
意欲に燃えて、仕事に励むようになる。