【大勢の前で話さなければいけないあなたへ 〜スピーカートレーニングマニュアル〜】

インフォメーション
| 題名 | 大勢の前で話さなければいけないあなたへ 〜スピーカートレーニングマニュアル〜 |
| 著者 | 石井光枝 |
| 出版社 | フローラル出版 |
| 出版日 | 2025年4月 |
| 価格 | 1,980円( 税込) |
「聞いて欲しい」を「聞きたい」に変える、スピーカートレーニングマニュアル
大勢の前で話す機会がある人に読んで欲しい一冊です。
アメリカの演説家たち、リーダーたちは、
話し方をうまく活用しています。
ただ、それは生まれつき上手なのではありません。
彼らはスピーカーになるための教育を、
コーチをつけてまでやってきただけの話なのです。
そして、日本人はそれを学ぶ環境や機会がないだけなのです。
スピーカートレーニング
これを日本でも取り入れることで、
日本はこれからもっとリーダーを中心に動き出すでしょう。
引用:フローラル出版
ポイント
- 話し手はその内容だけでなく、立ち姿、ジェスチャー、視線など、あらゆるものが相手の能力を奪う無言のメッセージとなり、聞き手はそれを無意識に受け取ってしまう。つまり、聞き手は話し手のせいで、本来持っている理解力や行動力を発揮できなくなってしまうのだ。
- 人間の情報処理には、「利き脳」ともいえる得意な処理スタイルがある。これはいわば「脳のクセ」のようなもので、人によって異なり、それぞれ4つのタイプの人がほぼ1/4ずつ存在するという。
- 「ハカラウ」とは、ハワイ語で「集中を広げる」という意味をもつ言葉である。これは、深いリラックス状態に入りながら、周囲で起こっていることをすべて把握できるような感覚を指す。
サマリー
音声で聴く
「本当に伝えたい」と思う人が持つべき心得
「伝わらない」「動いてくれない」原因は話し手にある
日本には素晴らしい技術や経験を持つ人が多くいるにもかかわらず、人前で話すための訓練が十分ではない。
その結果、「社員を動かせない」「子どもたちのやる気を失わせる」といった状況が起こってしまうのだ。
本書で提唱する世界基準の話し方・伝え方を身につければ、こうした状況は大きく変わるだろう。
ここで正直に伝えたいのは、「相手が話を理解できない」「行動できない」のは、すべて話し手であるあなたに責任がある、ということだ。
よくある例として、本人は気持ちよく話しているのに、まったく相手に伝わっていないことがある。
こうした人は、聞き手に話が伝わらず、結果が出ないと「やる気がない」「頑張りが足りない」と相手のせいにしてしまうのだ。
話し手はその内容だけでなく、立ち姿、ジェスチャー、視線など、あらゆるものが相手の能力を奪う無言のメッセージとなり、聞き手はそれを無意識に受け取ってしまう。
つまり、聞き手は話し手のせいで、本来持っている理解力や行動力を発揮できなくなってしまうのである。
著者は、このような話し方を「旧時代の話し方(ディスパワー・スピーチ=相手の力を奪う)」と呼ぶ。
その一方で、話し方によって内容の理解を助け、モチベーションを大きく高める話し方を「新時代の話し方(エンパワース・スピーチ=相手に力を与える)」と呼んでいる。
「人はなぜ聞き流すのか?」(認知心理学)
人間の情報処理には、「利き脳」ともいえる得意な処理スタイルがある。
この分野を研究する学問が「認知心理学」であり、人の情報処理の特性は主に次の4つに分類される。
V(Visual・視覚)タイプ:見ればわかる人
A(Auditory・聴覚)タイプ:聞けばわかる人
K(Kinetic・体感覚)タイプ:やってみたらわかる人
AD(Auditory & Digital・理論/分析)タイプ:言葉や理論で理解する人
これはいわば「脳のクセ」のようなもので、人によって異なり、それぞれのタイプの人がほぼ1/4ずつ存在するという。
たとえば「Vタイプ(視覚タイプ)」の人は、見て理解するのが得意だ。
そのため、「聴覚」や「体感覚」、「数値的な情報」だけで理解しようとすると、右利きの人が左手で物をつかもうとするような違和感を覚えるのだ。
「4つのタイプ」がいることを忘れない
このように、人にはそれぞれ得意な情報処理の方法がある。
そのため、話をするときは、この4つのタイプが存在することを意識しておくことが重要だ。
たとえば、Kタイプのセミナー講師が、自分の得意な「感じてみよう系」のワークばかり行ったとしよう。
すると、V・A・ADタイプのように「感じること」が苦手な受講者は、「よくわからない」「自分には向いていないのかも」と落ち込んでしまう。
結果として、「受講者に力を与える(エンパワー)」ことを目的としたセミナーが、かえって「力を奪う(ディスパワー)」ものになりかねないのだ。
同じことは、学校の先生にもいえる。
先生が自分の得意な情報処理タイプに偏った話し方をしていると、クラスの約4分の1の子どもにしか伝わらず、「全然教えてもらえない」と感じさせてしまう恐れがあるのだ。
