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インフォメーション
題名 | 年収300万円FIRE 貯金ゼロから7年でセミリタイアする「お金の増やし方」 |
著者 | 山口貴大 |
出版社 | KADOKAWA |
出版日 | 2022年02月17日 |
価格 | 1,540円(税込) |
20-50代の会社員にガチ売れで8万部 今イチバン売れているFIRE本
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★読者が選ぶビジネス書グランプリ2023/政治経済部門2位★
FIREは年収が高い人しかできないのだろうか?
違う。
年収1000万円あっても、できない人はできない。
一方、たとえ年収300万円で、貯金が0円しかなくても、やり方さえ間違えなければ計算上は7年で可能だ。
お金の「ある側面」に気づきさえすれば・・・。
では、99%の結果を変える、「ささいだけれども重要な1%の要素」とは何か?
「私がこの本で示したいのは、ぜいたくはできないものの、短期間に誰でも達成可能なFIREです。
物質的なぜいたくではなく、『心のぜいたく』を満喫できるFIRE達成の方法をいっしょに考えませんか?」(本書より)
早期リタイアをしたいけど、お金のことがまったくわからない人。
お金の本は何冊か読んだけれど、早期リタイアできる気がしない人。
そんなあなたにオススメの「月の手取り20万円からの新しいFIRE術」の本ができました!
引用:KADOKAWA
ポイント
- 4種類のFIREのうち、おススメは「サイドFIRE」
- FIREまでのステップ 投資の資産をつくる→資産を運用する→資産が大きくなったらリタイア
サマリー
なぜ投資するべきなのか
3つの理由
投資が必要な理由は、大きく分けて3つ。
1つ目は給与(年収)が上がらないこと。
厚生労働白書によると1989年からの20年間でなんなら下がっている。
主要国の中で日本だけが実質賃金が下がっているというデータもある。
2つ目の理由は、超低金利であること。
現在のメガバンクの定期預金金利は、わずか0.002%。
お金を預けていても全く増えない。
3つ目の理由はインフレ。
インフレによってお金は増えないどころか価値は目減りしていく。
そんな日本では株式や不動産といった資産を持つことが大切だ。
富裕層の増える日本
前述した3つの理由を聞くと、お金持ちになることは不可能だと思うかもしれない。
だが、純金融資産保有額が1億円以上~5億円未満のいわゆる「富裕層」は増加している。
今では全世帯の2%、50世帯に1人は「富裕層」である。
しかも驚くことに、雑誌のアンケートによると資産1億円以上の人のうち、25%は年収500万円いかの会社員だ。
雑誌のアンケートというのは少し根拠として弱いものではあるが、年収が高くなくても資産形成をすれば富裕層になれるということだ。
資産を持たないと損をする
昨今、富裕層と貧困層の二極化が進んでいる。
2014年にベストセラーになった「21世紀の資本」では、「長期的にみると、資本収益率(r)は経済成長率(g)よりも大きい」ことが明らかにされている。
資本所得の伸び率は賃金の伸び率を上回るということだ。
つまり、富裕層はもっと富裕層になり、労働者はいつまでたっても損をする。
年収300万円でもFIREできる
年収が低くてもFIREはできる
FIREをする上で大切なのは「高い年収」ではなく、「年収に対する貯蓄(投資)の割合=貯蓄率」である。
どんなに稼いでも貯蓄率が低ければFIREはできない。
投資リターンを年率5%と考えると、年数は以下のようになる。
- 貯蓄率30%→約30年でFIRE達成
- 貯蓄率50%→約17年でFIRE達成
- 貯蓄率90%→約3年でFIRE達成
これは年収の高い低いは関係ない。年収に対していくら貯金できているかが大切なのである。
4種類のFIRE
FIREと一言にいっても、何種類かのFIREがある。
ファット・ファイア
資産収入のみでリッチな生活をするFIRE。実現させるのはかなり難しい。
リーン・ファイア
資産収入のみでストイックな節約生活をするFIRE。
コースト・ファイア
資産収入のみで生活はできるが、副業的に仕事をするFIRE。
サイド・ファイア
勤務日数を減らしたり、8時間労働を3時間労働にするなど、資産収入と労働収入を合わせて労働の割合を減らして生活するセミリタイア的なFIRE。必要な資産が少ないので実現性が高い。
4%ルールはFIREの鉄則
FIREまでのステップは
投資の資産をつくる
↓
資産を運用する
↓
資産が大きくなったらリタイア。資産の一部を取り崩して生活費に充てる。
最後の資産の切り崩しで気を付けないといけないのが使いすぎである。
取り崩しの額が大きくなれば資産はなくなってしまう。
ではどの程度で生活していけばいいのか。
FIREには「運用資産の中から毎年4%を取り崩して、その範囲内で生活する限り、資産を減らすことなく、不労所得だけで人生を過ごせる」という4%ルールがある。
そこで本書では、「年間支出の25倍の資産を米国株インデックスで築き、年間4%ずつ売却し、その4%の売却益と配当金の範囲内で生活する」ことを提案する。
例えば、3000万円を貯蓄できた場合のシミュレーションをしてみよう。
3000万円を毎年4%の利回りで運用すると、1年間の運用益は「3000万円×4%=120万円」となる。
つまり、年間で120万円、1か月あたり10万円で生活できれば、資産3000万円でもFIREは達成可能だということ。
と言っても月々10万円の生活では厳しい人もいるかもしれない。
年間240万円(月々20万円)の収入を得るために必要な元本は6000万円である。
月々の生活費が20万円なら、6000万円の資産があれば資産収入だけで暮らせるということだ。
この逆算で、FIRE達成にどれくらいの資産が必要かわかる。
年間100万円の生活費で暮らせる人は、資産から得られる毎年4%の運用益がちょうど100万円あればいいのだから、そのために必要な元本は2500万円だ。
年4%の運用益を得られることが前提だが、生活費の25倍の資産があればFIREできる計算になる。
実現しやすいのはサイド・ファイア
FIRE達成には「年間生活費×25」が必要と話したが、それを踏まえて著者が勧めるのは「資産収入+労働収入」で生活するサイド・ファイアだ。
サイドFIREなら準備資産は半分あればOKなので達成までの時間的近道になる。
年収300万円FIRE
年収300万円の人は7年でサイド・ファイアが可能である。ロードマップで見ていく。
額面年収300万円の場合、手取りは約234.6万。
月額19万5500円ほどであり、この中でいくら投資に回すかがポイントとなる。
毎月5万円を投資に回すとしよう。
そうすると生活費は14万500円であり、年間の生活費は174万6000円になる。25倍にすると4365万円だ。
では、4365万円資産を作るにはどのくらいかかうろうか。毎月5万円を投資に回しても、仮に利回り5%で運用しても30年9か月もかかってしまう。
本気で支出を抑えて月10万円を投資に回しても16年かかる。
サイド・ファイアを選択し生活費の半分を労働収入でまかなえば必要な資産額も半分になる。
月々10万円投資に回せばサイド・ファイアまでは9年5か月になる。
副業などでもう少し収入を増やし投資に回せれば、より早くFIREできる可能性が高くなる。
FIREマインド
FIREを早期に実現するためには、元本を用意するために支出を抑え収入を増やすことが必要だ。
資産が増えても支出を増やすことなく、固定費は抑えるようにしよう。
一度あげた生活レベルをおとすのは容易ではない。よってFIRE達成までの道のりが遠のいてしまう。
FIRE実現のため、このマインドを押さえておこう。FIREを達成できるかどうかはマインド次第である。
From Summary ONLINE
年収が高くても低くても、貯蓄率がFireを左右するという話は大変興味深い。
いかにして貯蓄率を上げるか?年収が300万円からでも最短でFIREするためのロードマップになる。
お金の話は小難しく感じることが多いが、本書は大変読みやすい、FIREに関する基礎知識をつけたい方におすすめなとても有用な1冊だ。
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