【子どもの健全な成長のための スポーツのすすめ】

題名 | 子どもの健全な成長のための スポーツのすすめ |
著者 | 田崎 篤 |
出版社 | 岩崎書店 |
出版日 | 2020年2月 |
価格 | 1,320円(税込) |
第一線で活躍するスポーツドクターが教える、スポーツをする子の保護者が知っておくべきことをアドバイス。運動習慣、骨密度、食事、脳への影響などなど。
ゴールデンエイジ(5~12歳)の過ごし方で、人生がかわる!
この本では、スポーツや部活に子どもが思い切り打ち込むため、また、それによって健やかな成長が得られるために、活動を支える大人に知ってほしいことをまとめました。
引用:岩崎書店
ポイント
- スポーツは、子どもそれぞれが主役でなくてはならない。
- 運動には、我々が暮らす競争社会で役に立つ心身の育成へのメリットがある。
そのほか、健康維持にも効果があり、たとえば30分以上のウォーキングを半年間程度続けると、社会で生きていく上で必要な「実働力」が上がるという研究報告もある。
- 食事はスポーツ選手のパフォーマンスに大きく影響するが、”しっかり食事をとる”ことは、いうほど簡単ではない。
サマリー
はじめに
スポーツは素晴らしいものだ。
部活やクラブチームに参加し、スポーツに取り組むことで、獲得できる素晴らしいものがたくさんある。
この本では、スポーツや部活に子どもが思い切り打ち込むため、また、それによって健やかな成長が得られるために、活動を支える大人に知ってほしいことをまとめた。
チームで、あるいは家庭で、子どもたちのスポーツ活動のサポートの一助にしてほしいと切に願う。
子どもとスポーツ 親が知っておきたいこと
運動、スポーツ、体育
「運動」は、英語に置き換えればエクササイズ。
つまりからだを動かしたり鍛えたりすること全般を指す。
一方、「スポーツ」は、西洋から入ってきた概念で、「日常や義務から離れて気分転換する」「余暇を楽しむ」となる。
したがって運動を楽しんでこそ「スポーツ」と呼べるのである。
今まで、いわゆる体育会系の「苦しみに耐え、厳しい指導にド根性でついていく」ことが、スポーツに対する日本式の取り組み方であった。
そこが、他国のスポーツに対する向き合い方とは異なる点である。
スポーツは、子どもそれぞれが主役でなくてはならない。
語源から考えても、スポーツに参加する子ども本人が、自発的な気持ちで行い、うまくいっても失敗しても本人がその経験を受け止め、成長していくことが何より大切である。
スポーツが推奨されるわけ。体育だけでは足りない?
運動には、我々が暮らす競争社会で役に立つ心身の育成へのメリットがある。
そのほか、健康維持にも効果があり、たとえば30分以上のウォーキングを半年間程度続けると、社会で生きていく上で必要な「実働力」が上がるという研究報告もある。
子どもにとって運動がもたらす効用は大きい。
しかし、現実には体育の授業で与えられる運動量は、先生や学校によって千差万別だ。
文部科学省の調査でも、「体育以外に運動習慣を確立している学校は、そうでない学校に比べて体力テストの点数が高い」という結果が出ている。
残念ながら、体育の授業での運動量では、運動習慣を得る機会としては十分とは言えない。
家庭でできる心身のサポート
栄養面のサポート カロリー
子どもの体調管理として親ができることといえば、やはりいちばんは栄養を充実させること、つまり食事だ。
2010年にIOCが発表したレポートでも「食事はスポーツ選手のパフォーマンスに大きく影響する」と述べられている。
まず、1日に必要なカロリーの目安は、運動を積極的に行っている子どもなら、小学校低学年で2000キロカロリー以上が必要になり、中学生以上では3000キロカロリーにもなる。
その摂取カロリーのうち、原則50〜65パーセントは炭水化物で摂取することが奨励されている。
白米1杯300〜350キロカロリーなので、小学生は朝昼晩に白米を1杯以上、中学生以上は白米を2杯ずつで、おおよそ理想的な炭水化物量になる。
残りのカロリーはタンパク質と脂質で摂取することになる。
サプリメントの必要性とタイミング
サプリメント、いわゆる補助栄養製品は、ロンドン五輪の選手のうち約80パーセントが利用していたというデータがある。
その一方で、ほとんどのスポーツは、しっかり食事をとっていれば「サプリメントがないと競技活動に支障が出るなどということはない」とも言われている。
とはいえ、”しっかり食事をとる”ことは、いうほど簡単ではない。