【熔ける 大王製紙前会長 井川意高の懺悔録】

インフォメーション
| 題名 | 熔ける 大王製紙前会長 井川意高の懺悔録 |
| 著者 | 井川意高 |
| 出版社 | 幻冬舎 |
| 出版日 | 2017年2月 |
| 価格 | 715円(税込) |
大王製紙社長の長男として、幼少時代は1200坪の屋敷で過ごし、東大法学部に現役合格。27歳で赤字子会社を立て直し、42歳で本社社長就任。順調な経営、華麗なる交遊……すべてを手にしていたはずの男はなぜ〝カネの沼〟にハマり込んだのか? 創業家三代目転落の記。そして、刑期を終えたいま、何を思うのか――。出所後の独白を加え文庫化!
引用:幻冬舎
ポイント
- 2010年5月以来、私は大王製紙社長として、グループ企業から巨額の資金を借り入れる裏技を常態化させていた。その大半は、すでにマカオのカジノで失ってしまい、2011年5月の時点で、グループ企業からの借入金は、総額50億円を超えていたのだ。
- 1964年7月28日、愛媛県伊予三島(現在の四国中央区)にて大王製紙創業家の2代目・井川髙雄の長男として生まれた。創業者・井川伊勢吉は祖父にあたる。隣接している祖父母の家と自宅の敷地は1200坪あり、田舎とはいえ、かなり大きな家で暮らしていたことは間違いない。
- 2011年9月7日、大王製紙の連結子会社7社から、総額106億8000万円の資金を無期限で借り続けた事実が社内メールでの告発によって発覚し、私は大王製紙会長を引責辞任した。
サマリー
極限
シンガポールにある57階建てのホテル「マリーナ・ベイ・サンズ」は、単なるリゾートホテルではない。
このホテルの中にあるカジノでは、ギャンブラーたちが大金を手にするべく、日夜しのぎをけずっているのだ。
なぜ私は、このゴージャスホテルで20億分ものチップを積んで勝負に挑んでいるのか。
2010年5月以来、私は大王製紙社長として、グループ企業から巨額の資金を借り入れる裏技を常態化させていた。
その大半は、すでにマカオのカジノで失ってしまい、2011年5月の時点で、グループ企業からの借入金は、総額50億円を超えていた。
「これまでだって、150万円を4時間半で22億円にしたこともあるじゃないか。目の前にあるこの20億円を30億円、40億円まで増やし、借金を取り返すことはできる」
だが、48時間の死闘が終わったとき、私はすべてを失ったのである。
大王製紙の社長に就任するまでの私は、毎週のようにカジノへ通っていたわけではない。
2007年6月に大王製紙社長に就任し、2年が経ったあたりから、カジノへの熱が急激にエスカレートしていったのだ。
2008年になるとカジノに通う頻度がさらに上がり、2009年には一度すべて取り返している。
そこで止めておけば良かったものの、さらにエスカレート。
2010年になると資金繰りに行き詰まり、グループ企業の子会社からカネを借り入れることを思いついた。
借りる、負ける、さらに負ける。
2011年が明けたころから、完全に歯止めがきかなくなった。
2011年6月、私は大王製紙の会長に就任したが、数ヶ月後の9月16日、巨額融資の実態が発覚し会長を辞任することになる。
同年11月22日、会社法違反(特別背任)の容疑で東京地検捜査部に逮捕され、2013年6月26日に懲役4年の判決が確定した。
「身から出た錆」、そんな言葉では到底、済まされない愚かな過ちだった。
