【読書の技法】

インフォメーション
| 題名 | 読書の技法 |
| 著者 | 佐藤優 |
| 出版社 | 東洋経済新報社 |
| 出版日 | 2012年7月 |
| 価格 | 1,650円(税込) |
月平均300冊、多い月は500冊以上を読破する
佐藤流「本の読み方」を初公開!
知力をつけるために不可欠なのが読書であるが、そのための正しい読書法を身につければ、人生を2倍、3倍豊かにすることができる。月平均300冊、多い月は500冊以上を読破する佐藤流「本の読み方」を初公開!
大量の本を読みこなすための「多読の技法」。基本書を読みこなすための「熟読の技法」。1冊5分の「超速読」で読むべき本と必要ない本を仕分け、知識を身につけるための30分で読む「普通の速読」を使いこなす「速読の技法」。記憶を定着させるための「読書ノートの作り方」。知識の欠損部分を埋めるための「教科書・参考書」の使いこなし方。小説・漫画の読み方にいたるまで、佐藤流の本の読み方を網羅しています。
「本はどう読むか」「何を読めばいいか」「いつ、どこで読むか」が実行できれば、本物の知識を身につけるための読書の技法を自分のものにすることができます。
引用:東洋経済新報社
ポイント
- 著者は本書を、物の見方・考え方、表現の仕方までを含む「知の技法の入門書」と位置付けている。
- 熟読の要諦は、同じ本を3回読むことであると著者は述べる。1回目は、重要だと思う箇所に線を引きながら通読する。2回目は、重要箇所をノートに抜き書きする。3回目は、全体を通して再び通読する。
- 著者は、読書術は保守的であると表現する。その意味は、知は基本的に先人の遺産を継承したうえで成り立つものなので、すでに確立されている伝統に即して本を読むことが重要だということだ。
サマリー
正しい読書術を身につけるために
本書は、作家であり元外務省主任分析官である佐藤優氏の読書術が初めて体系化された一書である。
著者は本書を、物の見方・考え方、表現の仕方までを含む「知の技法の入門書」と位置付けている。
なぜ、知の技法の入門において、著者が第一に「読書術」を掲げたのだろうか。
著者は、人間には限られた時間しかなく、死を避けられない以上、残された時間を有効に使うためには「正しい読書法」が不可欠だと強調する。
読書によって数十人分の他人の経験、知的努力を自分のものにでき、人生を2倍、3倍豊かにすることができるというのだ。
ただし、それは、著者がいう「正しい読書法」によればという条件がつく。
大前提として、字面を追うことと読書とはまったく異なるということを知らなければならない。
知識を着実に身につけ、人生を豊かにするために、正しく読書することが重要と説く。
その「正しい読書術」を詳しく解説しているのが本書なのだ。
速読と熟読
著者は速読の目的を、読む必要のない本を見極め、無駄な時間を省くことにあると説明する。
人生の時間は有限なので、「何を読まないか」を決めることも大切な知の技法のひとつであると説いているのだ。
著者が読む必要のない本としてあげるのは2つ。
1つは、「書かれている言葉の定義がなされておらず、先行思想の成果を踏まえていない、悪い意味での「独創的」(もっと率直に言えば、「でたらめ」な本)。
2つ目は、「基礎知識がないと理解できない専門書」である。
金融工学にせよ哲学にせよ、その専門分野の基礎知識がなければ、どんなに本の字面を追っても、まったく理解できないので、結果的に時間の無駄になるという意味である。
もちろん、その分野の基礎知識を身につけてから専門書を読むという考えもあるが、相当な時間がかかってしまうだろう。
時間は有限であり、一生で読める本の数は限られているため、「何を読まないのか」ということを決めることが必要なのだ。
その上で、自分が読むべき分野の本を「熟読」する際にも読書の技法が必要だ。
熟読の要諦は、同じ本を3回読むことであると著者は述べる。
●1回目は、重要だと思う箇所に線を引きながら通読する
●2回目は、重要箇所をノートに抜き書きする
●3回目は、全体を通して再び通読する
本書で詳しく解説される熟読法での読書を習得できれば、一冊を5分で読む「超速読」と、一冊を30分で読む「普通の速読」を容易に身につけることが可能なのだ。
何を読めばいいか
著者は、読書術は保守的であると表現する。
その意味は、知は基本的に先人の遺産を継承したうえで成り立つものなので、すでに確立されている伝統に即して本を読むことが重要だということだ。
そのために著者が強く勧める方法がある。
それは、高校教科書レベルの基礎知識を徹底して身につけることである。
著者は、高校の教科書レベルの受験勉強は知の伝統を押さえるうえで、最も確実かつ効率的な方法であると指摘する。
本を読むのに欠損している基礎知識を身につけるためには、高校レベルの教科書と学習参考書を活用することをすすめる。
併用する理由は、教科書は教師がいる環境を想定して作成されているのに対し、学習参考書はそれだけを読んでわかる構成になっているという違いがあるためだ。
本書では、「世界史」「日本史」「政治」「経済」「国語」「数学」という分野ごとに、具体的な教科書や学習参考書をあげながら、学ぶべき視点やポイントを解説している。
著者の解説で学ぶ視点は、受験勉強で取り組んだ過去の記憶とされていた知が息を吹き返し、社会生活のなかで即役立つものとして輝きはじめる感覚を抱かせる。
著者は、高校教科書レベルの内容を教える社会人向け講座や書籍の出版を提案する。
本を正しく読むためには、それほど重要なのが、「基礎知識」の習得なのだ。
