【日本人の勝算 人口減少×高齢化×資本主義】

インフォメーション
題名 | 日本人の勝算 人口減少×高齢化×資本主義 |
著者 | デービッド・アトキンソン |
出版社 | 東洋経済新報社 |
出版日 | 2019年1月 |
価格 | 1650円(税込) |
「日本人の優秀さ」こそ、この国の宝だ――。
日本在住30年、元ゴールドマン・サックス「伝説のアナリスト」、
日本文化に精通する「国宝の守り人」、日本を愛するイギリス人だから書けた!
外国人エコノミスト118人の英知を結集して示す、日本人の未来。
「人口減少×高齢化」というパラダイムシフトに打ち勝つ7つの生存戦略とは。
■筆者からのコメント■
日本に拠点を移してから30年、さまざまな出来事を目の当たりにしてきました。
経済の低迷、それにともなう子どもの貧困、地方の疲弊、文化の衰退
――見るに耐えなかったというのが、正直な気持ちです。
厚かましいと言われても、大好きな日本を何とかしたい。
これが私の偽らざる本心で、本書に込めた願いです。
世界的に見て、日本人はきわめて優秀です。
すべての日本人が「日本人の勝算」に気づき、行動を開始することを願って止みません。
――デービッド・アトキンソン
引用:東洋経済新報社
ポイント
- 「今すぐにでも対応を始めないと、日本は近い将来、三流先進国になり下がることは確実です。いや、下手をすると、日本は三流先進国どころか途上国に転落する危険すらあるのです。」と著者は警鐘を鳴らす。いまだかつて経験したことがない、大きなパラダイムシフトが起きている以上、今までにない、根本的かつ大胆な政策が求められているというのだ。
- 日本だけに限らず、大きなパラダイムシフトが訪れる時は、国外の知見や力を借りることの重要性が増す。なぜなら、大変革が起きると、それまでの仕組みや枠組みに詳しい人ほど、固定観念に囚われてしまい、新しい発想を生み出すことが難しくなるからだ。
- 著者は、すべての日本企業、経営者、労働者を動かす「要石」こそ、最低賃金の継続的な引き上げであるという結論にいたった。
サマリー
このままでは日本に「勝算」はない
日本には今、大きなパラダイムシフトが訪れている、と著者は指摘する。
パラダイムとは、ある時期、ある集団の中で、常識として認識されている「思考の枠組み」を意味し、シフトという英語には、変える、移すなどの意味がある。
つまり、パラダイムシフトとは、それまで常識とされていたさまざまな事柄が、大きく移り変わることを指す。
では、日本に起きているパラダイムシフトとは何か。
著者が危惧しているのは、人類史上いまだかつてない急激なスピードと規模で進む、人口減少と高齢化である。
人口が右肩上がりで増えるというパラダイムが、右肩下がりに減るというパラダイムに大きくシフトしたということだ。
それにより、これまで当たり前だと認識されてきたことが、すべて当たり前でなくなるという、大きなターニングポイントに立たされているというのだ。
著者は次のように警鐘を鳴らす。
「今すぐにでも対応を始めないと、日本は近い将来、三流先進国になり下がることは確実です。いや、下手をすると、日本は三流先進国どころか途上国に転落する危険すらあるのです。」
いまだかつて経験したことがない、大きなパラダイムシフトが起きている以上、今までにない、根本的かつ大胆な政策が求められていると強調している。
では、このような時代には何が必要なのだろうか。
著者は「これまでの常識に囚われない考え方」こそが必要だと指摘する。
具体的に必要なものの1つとして提言しているのは、25歳以上の成人の再教育であり、その際は大学が大きな役割を担うべきということだ。
なぜなら、「人生100年時代」と言われ、刻一刻と変化する世の中で、何十年も前に学校で学んだ知識や一個人の経験から得られた知見だけで、物事に適切に対処することなど不可能だからだ。
教育だけに限らず、あらゆる場面で、これまでの固定観念に囚われない新たな解決策を見つける必要があるというのだ。
日本人の勝算は「外の目」でこそ見出せる
日本だけに限らず、大きなパラダイムシフトが訪れる時は、国外の知見や力を借りることの重要性が増す。
なぜなら、大変革が起きると、それまでの仕組みや枠組みに詳しい人ほど、固定観念に囚われてしまい、新しい発想を生み出すことが難しくなるからだ。