【漁師トレーダー翔の「一本釣りFX」世界一やさしいデイトレ・スキャルピング入門】

インフォメーション
題名 | 漁師トレーダー翔の「一本釣りFX」 |
著者 | 水島翔 |
出版社 | ぱる出版 |
出版日 | 2022年6月 |
価格 | 1,650円(税込) |
YouTubeチャンネル登録者数9万人。元漁師の「漁師トレーダー翔」がYouTubeで紹介してきた、デイトレ・スキャルピングのノウハウを一冊に凝縮。エントリーのタイミングは? 利益確定はいつするの? そもそも本当にFXで稼げるの? 相場の潮目を読み、マネーを釣り上げるコツを、漫画とイラストまじえてわかりやすく解説。
引用:ぱる出版
ポイント
- FXのトレーダーが目指すのは、再現性のあるトレードで、全勝はできなくともお金が増えていく可能性が高いやり方をひたすらリピートすることだという。そして、著者が再現性のあるトレードの土台と伝えるのが「環境認識」である。
- 「『最大でどれくらい損をするのか』という『最大損失額』を想定し、勝ったときは大きく、負けたときは小さくという『損小利大』を念頭に置いておくことはビジネスにおいてとても大切だ。」
- 著者は、FXを目的地にたどり着くまでの「船」でしかないと言い切る。自分が理想とする生き方に近づくために、舵を握り続ける必要があると伝えているのだ。
サマリー
FX取引前に知っておきたいこと
著者がFXを始めたきっかけは、漁師から一般企業に就職し、ある違和感をおぼえたことだ。
その違和感は、身近にいる管理職が、時間的にも精神的にも追い詰められている姿をみて、自分がなりたい姿と違うと気づいたことから生まれていた。
著者は心の底から思った。
「もっとお金や時間を自由に使えるようになりたい。生活費や住宅ローンのために働くようなお金に縛られた生き方はしたくないし、自分の時間が奪われるような仕事もしたくない。」
著者はサラリーマンが陥りがちな思考を指摘する。
多くの人は、時間を切り売りした対価が給料になり、これが労働者思考につながっている。
そのため、知識やスキルを身につける勉強・自己研鑽といった時給ゼロの時間が苦痛になってしまう。
この感覚はFXを始める上では注意が必要だという。
なぜならFXのトレードは、トレードに費やした時間分、確実に稼げるものでもないからだ。
著者はこれまでの経験から、時間を惜しまずに、何十、何百、何千時間でも練習に使い、時給ゼロの時間を「将来の自分への投資」だと考えることを伝えている。
そして、FXから学べる考え方は、人生においてもビジネスにおいても役に立つ面があり、そのうちの1つであるリスク管理をあげる。
著者は常に、自分の「最大許容損失額」を想定して行動することを徹底しているというのだ。
著者は伝える。
「『最大でどれくらい損をするのか』という『最大損失額』を想定し、勝ったときは大きく、負けたときは小さくという『損小利大』を念頭に置いておくことはビジネスにおいてとても大切だ。」
環境認識からトレードが始まる
FXのトレーダーが目指すのは、再現性のあるトレードで、全勝はできなくともお金が増えていく可能性が高いやり方をひたすらリピートすることだという。
つまり、ノールールでたとえまぐれで勝っても意味がないということだ。
そして、著者が再現性のあるトレードの土台と伝えるのが「環境認識」である。
FXにおける環境とは何を指すのか。
著者は次のように説明する。
「現在その通貨ベアがどの方向を目指しており、どのあたりの水準にあるのかを客観的に判断すること。そして、月足や週足の長い時間軸から、5分足や1分足の短い時間軸まで、多層的に各時間ごとの流れを見極め、総合的な方向感を把握していくことになる」
トレードをするにあたって、現在の相場がどういう環境にあるか分かれば、買いか売りかの基本方針が決まり、エントリー決済の水準も決まるということだ。
そして、著者の環境認識の土台になっているのが「ダウ理論」である。
ダウ理論では、以下の2つの基本の考え方がある。
①高値と安値をどちらも同じ方向に更新する状態がトレンドである
②一度発生したトレンドは明確な転換のシグナルが発生するまでは継続する
さらに、本書では、著者流のダウ理論活用術が紹介されている。
著者のチャートにおける環境認識は、常にチャート上に引く水平線が基準になっているという。
どの価格に水平線を引くかで、トレードの全方針が決まるので、FXトレードにおいて、一番トレーニングが時間をかけるべき部分だと強調している。
本書では「環境認識実践トレーニング」と題し、実例のチャートをあげ、著者がどのように環境認識をしているかを開示している。
勝ち続けるために知っておくべきこと
トレードはできるだけシンプルに考えることが大切だという。
著者はFXを次のようにシンプルに表現する。
「買い手と売り手のどちらが優勢かを客観的に判断し、水平線を巡る多数決の結果にただついていくだけでお金は増えていく」
しかし、FXには、このようにシンプルに考えることを阻む要素もたくさんある。
特に、目の前で常に増減する損益に心がぐらついてしまい、正常な判断ができなくなることをあげている。
著者自身も何度も経験してきたそうだ。
だからこそ、AがBになったら決済するのは当たり前、というような「行動のルール」を明確にすべきだと指摘する。
損切りのときの考え方として望ましいのは、「エントリーの根拠が失われたときに損切りをする」ということだ。
エントリーはしたが、相場の状況が変化し、そのエントリーをしたときの理由自体がなくなったから、躊躇なく撤退するという考えでのぞむことを勧めているのだ。