【インプット・アウトプットが10倍になる読書の方程式】

インフォメーション
題名 | インプット・アウトプットが10倍になる読書の方程式 |
著者 | 羽田康祐 k_bird |
出版社 | フォレスト出版 |
出版日 | 2021年7月 |
価格 | 1,760円(税込) |
ビジネス書は「視点」と「法則」を探して読む!一冊から得られる学びを100%以上に
忙しいビジネスパーソンにとって、速読術や多読術が人気ですが、なかなか使いこなせないという人は多いのではないでしょうか。
一方、早く・多く読むことよりも、1冊、1ページ当たりの学びの量を100%以上にすることを重視する本書では、ビジネス書を読む目的を次のように定義しています。
★ビジネス書を読む目的=自分の中に「視点」と「法則」を増やしていくこと
多くのビジネス書は、著者がこれまで経験してきた職業人生が存分に注ぎ込まれています。そこには必ず、著者ならではの物事をとらえるポイント(=視点)や、「ああなれば→こうなりやすい」という因果関係・ノウハウ(=法則)があります。
本書では「視点読書」「法則読書」として、これらの視点と法則をインプットする方法、自身のビジネスにおける仮説やソリューションというアウトプットにつなげる方法を、次の方程式を使って解説していきます。
★何を考えるべきか?(視点)×どう考えるべきか?(法則)=あなたなりの結論(仮説・解決策)
本書の内容は、類書にあたるさまざまな読書術の本とは、その主張も、得られるスキルも大きく異なっています。だからこそ、読者であるあなたにとって価値あるものになるはずです。
リアルでは? ネットでは? 本当に自分に合ったビジネス選書術
ビジネス書に限らず、多くの書籍は「お金を払った後でしか内容やレベルがわからない」典型的な「経験財」です。したがって、よほど注意深く選ばないかぎり、多かれ少なかれ「思っていた内容と違った」「自分が求めているレベルと違った」などの「ミスマッチ」が起きてしまいます。
そこで本書では、優れたビジネス書を選ぶ方法についてもお伝えします。
自身にとって本当に必要な情報とは何かを明確にし、リアル書店・ネット書店それぞれでの本の選び方を読者に寄り添って解説します。
引用:フォレスト出版
ポイント
- ビジネス書を読む目的=自分の中に「視点」と「法則」を増やしていくこと
- 本書が一貫して重視するのは「読書時間当たりの学びの量」であり、「限られた読書時間の中で、どれだけ学びの量を最大化できるか?」である。
- 「10倍読書」は、大きく分けて2つの読み方がある。自分の中の視点を増やす「視点読書」と、自分の中の法則を増やす「法則読書」である。
サマリー
1冊のビジネス書を何倍にも役立てる読書術
ビジネス書にはさまざまな目的、活かし方があり、正解も不正解もない。
本書では、少し毛色の違う、「ビジネス書を読む目的」を提案する。
その目的とは、次の通りだ。
ビジネス書を読む目的=自分の中に「視点」と「法則」を増やしていくこと
「視点」と「法則」は、多くのビジネスパーソンにとって非常に重要な考え方であり、次のような方程式が成り立つ。
何を考えるべきか?(視点)×どう考えるべきか(法則)=あなたなりの結論
人は何らかの「視点」を置かないかぎり、「何を考えるべきか?」を明確にできず、物事を考えるスタートラインにすら立てないのだ。
本書では、ビジネス書から著者の視点を探すことを「視点読書」、法則を探すことを「法則読書」として、その両方を自身の中にストックする方法を解説する。
世の中には、さまざまな「読書術の本」であふれ、特に人気が高いのは「速読」や「多読」だろう。
しかし、筆者はこれらの読書術には懐疑的だ。
なぜなら、ビジネス書の内容が理解できる読み方ではないと考えるからだ。
本書が一貫して重視するのは「読書時間当たりの学びの量」であり、「限られた読書時間の中で、どれだけ学びの量を最大化できるか?」である。
極端な話をすれば、1時間あたり1ページしか読めなかったとしても、そこから得られる学びの量が10倍なら、それでOKなのだ。
この考え方から、本書で解説する読書術を「10倍読書」と呼び、その方法を解説している。
10倍読書の四大原則
「10倍読書」は、大きく分けて2つの読み方がある。
・自分の中の視点を増やす「視点読書」
・自分の中の法則を増やす「法則読書」
この個別の読み方の前に、「10倍読書」の大枠にあたる「四大原則」について理解してほしい。
10倍読書の四大原則と概要は次の通りである。
1.「読書量」より「学びの量」
「10倍読書」で目指すのは、「ビジネス書をたくさん読むこと」や「速く読むこと」ではなく、「読書時間当たりの学びの量の最大化」である。
「限られた読書時間の中で、得られる学びを10倍以上にすること」なのだ。
2.「フローの情報」より「ストックの情報」
「フローの情報」とは、いわば「タイムラインに流れてくるニュース」のような、時間が経てば価値が減る「消費される情報」だ。
「ストックの情報」は、あなたが 「考えるきっかけ」になる情報で、「時代や分野を越えて変わらない法則」が潜んでいるので、その価値は減らない。
つまり、
ストックの情報×思考を巡らすこと×その蓄積(=時間)
は、あなたの思考力を劇的に高めてくれるのだ。
3.「視点読書」「法則読書」の2回読みをする
1冊のビジネス書を以下のように2回に分けて読むことをすすめる。
1回目:著者が置いている「視点」を発見しながら読む「視点読書」
2回目:著者が想定している「法則」を発見しながら読む「法則読書」
ある脳科学の研究によれば、人間の脳は2つ以上のことを考えることができないという。
「視点なら視点」「法則なら法則」とテーマを絞って読み進める方が効率的で有効なのだ。
4.同じ分野の「固め読み」をする
「10倍読書」をする際には、一定の期間で「同じ分野のビジネス書」を固め読みをするのがおすすめだ。
一定の期間で「同じ分野のビジネス書」を固め読みすれば、いったん忘れてしまった内容も思い出しやすくなり、読書の記憶効率が上がる。
また、同じ分野のビジネス書に共通する「視点」や「法則」、異なる主張などが明確になり、視野が大きく広がる。
さらに、それぞれの書籍に書かれた内容が有機的に結びつき、知識を体系化するうえでも極めて有効な読み方である。
「視点読書」と「法則読書」
視点を増やす「視点読書」
人は誰しも、「視点」を通してしか物事を考えることができない。
視点を増やし、視点を自由自在に操ることができるようになれば、物事の多様な側面に気づき、次々と「別の選択肢」「別の可能性」を生み出したり、「生き詰まった状態」を打開したりすることができる。
さらに、人とは違う「概念=コンセプト」を生み出す力にも直結していくのだ。
「視点読書」のカギは、ビジネス書の内容を暗記するのではなく、ビジネス書で発見した「視点」を抽象化し、応用範囲を広げることでアウトプット先を何倍にも広げることだ。
アウトプットのしやすさは、「どれだけ役に立つか?」という再現性と、「どれだけ応用範囲が広いか?」という汎用性の掛け算で決まる。
この両方を兼ねるのが「視点読書」である。