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【本当にためになるゲームの歴史】

インフォメーション

題名 本当にためになるゲームの歴史
著者 岩崎啓眞
出版社 ぱる出版
出版日 2025年7月
価格 1,760円(税込)

ビデオゲームの誕生から現代までの進化を追う一冊。この書籍では、初期のアーケードゲームから最新のオンラインゲームまで、ゲーム業界の重要な転換点を網羅的に解説。岩崎氏自身の経験を生かし、名作ゲームを例にあげながらビジネスモデルの変遷を詳細に描く。

引用:ぱる出版

ポイント

  • 消費者の多くがゲームへと娯楽的な印象を抱くのに対して、製造側は開発費の回収を常に厳しく見極めており、ゲームはビジネスモデルと強く結びついている。1970年代のビデオゲーム商用化から現在にいたるまで、ビジネスモデルと媒体の変化に着目しながらゲームの歴史を辿った一冊だ。

  • ゲームにおいて、プレイ中に広告を出すことは通常不可能であり、広告表示のタイミングは自ずとタイトル画面やゲームオーバー画面に集中するが、とんでもなく難しい「死にゲー」が短いサイクルでの広告表示を実現した。

  • インベーダーの無限プレイによる損失を、格闘ゲームの「負け抜け」や音ゲーの「演奏時間」で解決していった。

サマリー

音声で聴く

はじめに

テレビから流れてくる最新ゲームのCM。

電車の中でスマホゲームに興じる人々。

趣味としてゲームをあげる人も少なくはない。

現在、ゲームは私たちの生活と密接に結びついた存在だ。

ゲームで日ごろの疲れを癒している人も多いだろう。

一方、ビデオゲームは作品であると同時に商品である。

つまり、開発には利益を上げる責任が伴う。

消費者の多くがゲームへと娯楽的な印象を抱くのに対して、製造側は開発費の回収を常に厳しく見極めており、ゲームはビジネスモデルと強く結びついている。

本書は、1970年代のビデオゲーム商用化から現在にいたるまで、ビジネスモデルと媒体の変化に着目しながらゲームの歴史を辿った一冊だ。

本要約では以下の二点に焦点を当てて本書の内容を紹介する。

✓ゲームの形とビジネスモデルの相互関係

✓アーケードゲームの歴史

※ビジネスモデルとは:企業が顧客に価値を提供し、利益を生み出すための事業の仕組みや収益構造

※本書におけるゲーム=ビデオゲーム全般のことを指す

ゲームの形とビジネスモデルの相互関係

ゲームの形がビジネスモデルと強く結びついているのは冒頭で説明した通りだが、その関係の在り方には2つのパターンがある。

それは、「ゲームの形がビジネスモデルを生み出す」場合と「ゲームが作られるビシネスモデルおよび技術環境がゲームの形を決める」場合の2つだ。

それぞれ、具体的な例を見ていこう。

ゲームの形がビジネスモデルを生み出した例(『フラッピーバード』が見出したハイパーカジュアル)

ゲームにおいて広告収益が補助的な存在でしかなかった2013年、ベトナムで『フラッピーバード』というスマホゲームが登場した。

これはスマホ上でキャラクターの鳥をタップして、障害物の間をうまく飛び切るという非常にシンプルなゲームだ。

『フラッピーバード』最大の特徴は、とんでもなく難しい死にゲー(死んで覚えていくタイプのゲーム)という点にある。

死にゲーであることがプレイヤーに一種の中毒をもたらし、爆発的な人気となった。

そしてこの「難しくて簡単に死ぬ」という特徴が莫大な広告収益をもたらすことになる。

1日500万円の売り上げを叩き出したこともあるというのだから驚きだ。

ゲームにおいて、プレイ中に広告を出すことは通常不可能であり、広告表示のタイミングは自ずとタイトル画面やゲームオーバー画面に集中する。

『フラッピーバード』は早ければ数秒で死ぬゲームのため、数秒に一度のペースで広告が表示される。

PV数が上がるとともにクリック数も増え、広告収益が跳ね上がる。実に単純な仕組みだ。

こうして、『フラッピーバード』の成功がヒントとなり、ハイパーカジュアルゲームは定着していった。

※ハイパーカジュアル:極めてシンプルで1サイクルが短い内容で広告収益を上げていくゲームジャンル

ただし、『フラッピーバード』の爆発的なヒットはあくまで例外的なものであり、シンプルなゲームはそもそも飽きられやすい。

ヒットすることの方が稀だ。

そこで誕生したのが、この手の単純なゲームを大量供給し、ごくたまにヒットするゲームがあればトータルとして収入があるとするビジネスモデルだ。

こうして、ハイパーカジュアルゲームならびにそのビジネスモデルはその地位を確立していった。

ゲームが作られるビシネスモデルおよび技術環境がゲームの形を決めた例(技術革新がコンソールゲームにもたらしたRPGというジャンル)

1985年頃までのコンソールゲームはせいぜい32キロバイト程度(漢字にして約16000文字)と容量が小さく、その上ゲームの途中経過を記録する方法がなかった。

そのため、日本ではRPGのようなデータセーブ必須のゲームは、途中経過をフロッピーディスクで保存できるパソコンだけのものとされていた。

ところが、1986年に任天堂がファミコンディスクシステムを発売し、ファミコンでもパソコンと同じようにゲームの進捗状況を記録できるようになった。

さらにはROMカセットが大容量化し、カートリッジにバッテリーバックアップが搭載されることでRPGは一躍、コンソールゲームの主流へと躍り出た。

※コンソールゲーム:Nintendo Switchなどの家庭用ゲーム機でプレイするゲーム

アーケードゲームの歴史

前項ではゲームの形とビジネスモデルの相互関係について説明したが、ここからはゲームの歴史の中でも最初期にあたるアーケードゲームについてその変遷を紹介していく。

それぞれの内容が「ゲームの形がビジネスモデルを生み出す」場合と「ゲームが作られるビシネスモデルおよび技術環境がゲームの形を決める」場合のどちらに該当するのかを意識しながら読んでみてほしい。

※アーケードゲーム:ゲームセンターなどに設置されている、1プレイごとお金を払って遊ぶゲーム

無限プレイの時代を切り開いた『スペースインベーダー』

1970年代後半までのゲームセンターは、「顧客に時間貸しをして利益を得ている」という意識が強く、ほとんどのゲームは制限時間の中で遊ぶように設定されていた。

これに変革をもたらしたのがかの有名な『スペースインベーダー』である。

『スペースインベーダー』は1978年にタイトーが開発・発売したアーケードゲームで、世界的なブームを巻き起こした固定画面シューティングゲームだ。

プレイヤーは画面下部に配置された砲台を操作し、上方から迫りくるインベーダー(敵)を打ち落としていく。

敵を打ち落とし切れずに自機と同じところまで敵が降りてくると「占領」されたことになりゲームオーバーとなる。

「占領」されない限りは無限にゲームを続けることができるという点が当時としては画期的だった。

こうして『スペースインベーダー』の登場によって「ゲームがうまければ無限に遊べる」という常識が広がっていく。

ところが無限プレイできるようになると、プレイヤーの技量向上やブームの終焉に従って時間によるインカム効率が低下してしまう。

この問題を解決するために、メーカー側はプレイ時間に応じて難易度を高める、二人同時プレイを促すなど、時間あたりのインカムを確保しようとゲームに改良を重ねていくようになった。

勝ち残り・負け抜けのビジネスモデルを提案した『ストリートファイターⅡ』

そんな中、ビジネスモデルそのものを変えてしまうゲームチェンジャーが現れる。

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© 音声: VOICEVOX 青山龍星(男性)、VOICEVOX NEO(女性)
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