【ポケット版 「のび太」という生きかた】

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インフォメーション

題名ポケット版 「のび太」という生きかた
著者横山 泰行
出版社アスコム
出版日2014年10月24日
価格880円(税込)

 

勉強も運動も苦手でぐうたらしてばかりののび太。
でも、映画版で大活躍し、しずかちゃんとの結婚と、実は人生の成功者だったのです!
そんなのび太から、無理せずに自分らしく生きて夢まで叶えてしまう方法を学んでみませんか?

そんなのび太から学べる人生の成功法則を「のび太メソッド」と提唱。
本書では、「のび太メソッド」を全部で37つ紹介しています。

・完璧をいきなり目指さない
・失敗することまで楽しむ
・かっこいい自分を想像する
・直感で判断。とにかく動き出す
・夢は叶うと信じ切る
・自分より、まず他人の幸せを望む
・「愛する存在」で心を強くする
などです。

この「のび太メソッド」は、どんなダメな奴でも夢が叶う、魔法の法則です。
みなさんの人生にも役立つようなヒントが、この本にはたくさん詰まっています。

引用:アスコム

ポイント

  • ドラえもんのひみつ道具は、のび太のいいところを引き出すきっかけのような存在である。のび太は最後には自力で問題の解決に対処している
  • のび太の生き方から、優しさを持って人に接することで、協力者や理解者を得ることができ、それが幸せな未来の実現につながることを学ぶ事ができる
  • 小さな目標に向かって果敢に努力することが、夢を叶えるのに重要なことなのである

サマリー

はじめに ~のび太は実は、人生の勝ち組であった~

「ドラえも~ん(泣)」

国民的な人気を誇る作品「ドラえもん」では、のび太がネコ型ロボットのドラえもんに泣きつく様子が多く描かれている。

のび太はだらしなく、勉強もスポーツもできない、困ったことがあればすぐにドラえもんに泣きついて助けてもらう。のび太はどんな時でも「負け組でダメな奴」だ。

果たして本当にそうだろうか?

確かに日常生活では何もかも上手くいっていないのび太だが、大長編の冒険では友だちに信頼され、時には集団の中心人物としてリーダーシップを発揮する。

普段のび太をいじめているジャイアンやスネ夫も、遊ぶ時には必ず大切な仲間として声をかける。

のび太を叱るママや先生も、一度たりとも彼を見放すことはしない。

念願かなってみんなのマドンナ、しずかちゃんを射止め結婚までしている。

このように一見して失敗の連続に見えるのび太の人生だが、人生の重要な節目においては着実に夢を叶え、勝ち組のび太に変身しているのだ。

ひみつ道具が、のび太の隠れた長所を引き出した

ドラえもんではひみつ道具がほとんどの作品に登場する。

のび太はこのひみつ道具に頼り切っているように見えるが、実はひみつ道具は問題の根本的解決にはならないことが多い。

たとえば、「かならず当たる手相セット」というエピソードでは、最初は手相がピタリと当たるが、途中から脱線して外ればかりになってしまう。するとのび太は「手相なんか気にしているときりがない。ぼくなりに、がんばっていくよ」と宣言する。

また「一生に一度は百点を…」というエピソードで、「コンピューターペンシル」というひみつ道具の力を借りてテストで100点を取るチャンスが訪れた際も、最終的にのび太は「やめた!ふつうのえんぴつでやろう」と決心している。

このようにひみつ道具は、はじめのうちはあらゆる問題に対してうまく機能し、解決への期待を抱かせるが、根本的な問題解決には何ら繋がらない結果に終わる。

つまり、ドラえもんのひみつ道具の基本的なスタンスは、「ひみつ道具に頼らないで自力で問題を解決することがベスト」なのである。

のび太にとってひみつ道具とは、あくまで「自分のいいところ」を伸ばして足りない何かを後押ししたり、優しい心を呼び覚ますきっかけのような存在なのだ。

のび太の優しさ ~どんなに憎い人にも優しくする~

のび太は将来、しずかちゃんと結婚する。その決め手になったのは彼の優しさだ。

のび太は仲の良い友達にはもちろん、敵にまでその優しさを発揮する。

「このかぜうつします」というエピソードでは、のび太はドラえもんに「カゼをうつす機械」を出してもらい、風邪をひいてふらふらになりながらも会社へ行こうとするパパの風邪を引き受ける。

当然のび太はひどい風邪に見舞われるため、スネ夫やジャイアンにこっそり風邪を移そうとする。しかし、スネ夫のパパが心配する姿や、のび太を気遣うジャイアンの様子を見て、最終的には風邪をうつすことはしなかった。

普段は憎いスネ夫やジャイアンだが、のび太はどんな相手に対しても心底憎んだり存在そのものを否定したりはしない生来の優しさを持っている。

だから普段のび太をいじめているジャイアンやスネ夫も、遊ぶ時には必ず大切な仲間として声をかけるのだ。

のび太の生き方から、優しさを持って人に接することで、協力者や理解者を得ることができ、それが幸せな未来の実現につながることを学ぶ事ができる。

夢をかなえてドラえもん

かなう夢には法則がある

夢には「叶う夢」と「叶わない夢」がある。ひみつ道具を使ってもそれは同じだ。

「つかめドリーム!宝星」というエピソードでは、学校の裏山から宝が発掘されたことをきっかけにドラえもんに「宝星探査ロケット」を出してもらい小人の星へ行き、宝を探し当てることとなる。

ところが、宝はホコリのような小さなものだった。ほかの星でもろくな宝は見つからず、二人は二度と宝探しはしないと誓った。

他にものび太は、非常識ともいえる夢を抱き行動することがあるが、そのどれもが「こんなことしなきゃよかった」という結果で終わる。

ドラえもんという作品は、叶う夢と叶わない夢の違いを教え、自分でコツコツ努力することの大切さを伝えようとしたのかもしれない。

夢を叶える

「走れ! ウマタケ」というエピソードでは、ジャイアンの提案で「タケウマ乗りコンテスト」が開かれることになった。

しかしのび太はタケウマには乗れないので、ドラえもんにウマとタケの混血種「ウマタケ」を22世紀から連れてきてもらう。

練習し乗り慣れてきたころ、ウマタケは逃げてしまい、帰ってこずに落ち込むのび太。ドラえもんは落ち込むのび太に、「これでよかったんだ。やっぱり、ほんとうのタケウマに乗るべきだ」と話す。

その晩、のび太は傷だらけになって猛特訓し、見事タケウマに乗れるようになったのである。

この作品のように、最終的にはのび太本人の努力が不可欠であることを示す作品は多い。

小さな目標に向かって果敢に努力することが、夢を叶えるのに重要なことなのである。

From Summary ONLINE

一見、ドラえもんに頼って何も出来ないように思われるのび太だが、実は多くの魅力があり、学び、見習えるところも沢山ある。

「STAND BY MEドラえもん」は2014年公開作としては邦画第1位となる大ヒットを記録し、これをキッカケに「ドラ泣き(ドラえもんの作品に泣く事)」という言葉が流行り、感動エピソードばかりが注目を集めた。

しかしドラえもんという作品の良さは、日常を舞台にするエピソードにこそ溢れており、本書ではその良さにフォーカスすることで、「のび太が夢を叶えられた方法」を「のび太メソッド」として紹介している。

そこには、沢山の人生に役立つヒントがつまっている。

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