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【天才】

インフォメーション

題名 天才
著者 石原慎太郎
出版社 幻冬舎
出版日 2016年4月
価格 1,540円

 

高等小学校卒という学歴ながら『日本列島改造論』を引っ提げて総理大臣に就任。比類なき決断力と実行力で大計の日中国交正常化を実現し、関越自動車道や上越新幹線を整備、生涯に30以上の議員立法を成立させるなど、激動の戦後政治を牽引した田中角栄。
その経歴から総理就任時には「庶民宰相」「今太閤」と国民に持てはやされ、戦後では最高の内閣支持率を得たが、常識を超える金権体質を糾弾され、総理を辞任。その後、ロッキード事件で受託収賄罪に問われて有罪判決を受けるも、100名以上の国会議員が所属する派閥を率い、大平・鈴木・中曽根内閣の誕生に影響力を行使。長らく「闇将軍」「キングメーカー」として政界に君臨した。
そんな希代の政治家・田中角栄といえば、類まれな権謀術数と人心掌握術に注目が集まるが、実はスケールが大きいわりに人一倍デリケートな一面があった。浪花節と映画をこよなく愛する、家族思いの人情家だったという。
強烈な個性をもったリーダーが不在の今、自らも政治家として田中角栄と相まみえた著者が、毀誉褒貶半ばするその真の姿を「田中角栄」のモノローグで描く意欲作。

字に強い、駆け引きが上手い、義理人情を欠かさない。
それが高等小学校での男が伸し上がる武器だった――。

引用:幻冬舎

ポイント

  • 田中角栄の人生は、学歴や家柄ではなく「行動する知恵」が人を動かすことを証明している。どんな環境でも、己の信念と実行力で運命を切り開く力があれば、道は拓けるのだと教えてくれる。

  • 彼の政治力の源は、理屈ではなく「現場に足を運び、人の声を聞く」姿勢にある。机上の空論ではなく、泥臭い実践を積み重ねた者こそが、真に人を導くリーダーになれるという現実を突きつけている。

  • 成功の裏にある孤独や矛盾を通して「権力」とは何か、「人間の業」とは何かを考えさせる。天才とは特別な才能ではなく、犠牲と覚悟を背負って生き抜く者であると気づかされる。

サマリー

幼少期と信念「貧困の少年から叩き上げへ」

田中角栄は新潟の雪深い村に生まれた。

家は決して裕福ではなく、父は放蕩癖があり家計を顧みない人間であった。

母は寡黙で働き者であり、その姿から角栄は人の本当の価値は肩書きではなく「働く力」にあると学んだ。

学歴は高等小学校卒で止まり、周囲からは劣等感を抱かされる環境にあった。

しかし、彼はそのことを恥じるよりも、早く働いて家を支えたいという思いを強くした。

若くして上京した角栄は、職を転々としながら土建業に身を置く。

現場での肉体労働を通じ、働く人々の現実を肌で知り、やがて「現場の声を代弁できる政治家になりたい」と思うようになる。

昼は働き、夜は独学で法律や会計、建築を学んだ。

彼の根底には、学歴よりも「実行力」こそが人を動かすという信念が形づくられていった。

こうして角栄は、土建業を基盤とした「田中土建工業」を起こし、地元での人望を積み重ねていった。

実直に働き、誠実に金を返すことで信用を得た彼は、やがて政界進出の道を志すようになる。

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© 音声: VOICEVOX 青山龍星(男性)、VOICEVOX NEO(女性)
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