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【平成はなぜ失敗したのか 「失われた30年」の分析】

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題名 平成はなぜ失敗したのか 「失われた30年」の分析
著者 野口悠紀雄
出版社 幻冬舎
出版日 2019年2月5日
価格 1,650円

 

 

平成経済史が一気にわかる。
「平成」という時代の失敗の検証なしに、日本は前進できない!
日本人が遅れを取り続ける原因を徹底解明。

 平成の30年間を一言で言えば、世界経済の大きな変化に日本経済が取り残された時代でした。平成時代を通じて、日本経済の国際的な地位は継続的に低下したのです。
 ここで重要なのは、「努力したけれども取り残された」のではなく、「大きな変化が生じていることに気がつかなかったために取り残された」ということです。改革が必要だということが意識されず、条件の変化に対応しなかったのです。
 平成の時代が終わることから、平成回顧ブームが起き、多くのメディアが「平成を振り返る」という特集を組んでいます。
 振り返るのであれば、過去を懐かしむだけでなく、なぜこの時代が日本にとっての失敗の時代になってしまったのか、その原因を明らかにすることが重要です。そうすることによって、平成回顧ブームを意味あるものにすることができるはずです。
 本書は、このような観点から、平成時代の経済を分析し、重要な選択の局面において、本当はどうすべきだったかを考えます。
 それらを、いまの日本経済が抱える問題との関連で取り上げ、将来に向かって日本が何をなすべきかを検証します。主として日本の経済について述べますが、それだけでなく、世界経済についても言及します。とくに中国の変貌と成長が重要な関心事です。
 本書が平成のつぎの時代において少しでも役に立つことができれば幸いです。
 (「はじめに」より)

引用:幻冬舎

ポイント

  • 私たちは、上の世代が築いた日本社会を世界の動きに合わせて変えていく責任を負っていたが、その責任は果たされなかった。

  • 日本の課題解決には、規制や既得権の打破が課題であり、新産業の登場が鍵になる。

サマリー

はじめに

私たちは、上の世代が築いた日本社会を、世界の動きに合わせて変えていく責任を負っていた。

少なくとも有権者であったのだから、程度の差こそあれど社会に影響を及ぼしうる立場にいた。

我々の世代はその責任を果たしたのだろうか。上の世代の遺産を引き継いで発展させることができたのだろうか。

残念ながらそれは失敗したと言わざるを得ない。

重要なのは「努力したけれども取り残された」のではなく「大きな変化が生じていいることに気づかなかったため取り残された」ということである。

本書では経済の面から、作者の思いにも触れながら平成を3期9章に分けて論じている。

第1章 日本人は、バブル崩壊に気づかなかった

日本の国際的地位が高まりをみせた80年代、地価と株価でバブルが起き、「ジャパンマネー」は海外の土地を買い漁った。

87年成立の「リゾート法」も後を押しリゾート熱を煽った。ゴルフ場開発は続き、90年代初めに日本経済は天井をみる。

結果、円高で消費は豊かだが企業利益は落ち込んだ。

その後、バブル崩壊が起こるが当時の日本の多くの企業や人々は、これを一時的な現象と考えていた。

95年頃、バブル崩壊で株価下落や経済指標の悪化、貸し渋りそんな経済変調に日本人は気づくことができなかった。

第2章 世界経済に大変化が起きていた

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