【災害時における高齢者・障がい者支援に関する課題】
インフォメーション
題名 | 災害時における高齢者・障がい者支援に関する課題 |
著者 | 日本弁護士連合会 高齢者対策本部、高齢者・障害者の権利に関する委員会/編 |
出版社 | あけび書房 |
出版日 | 2012年10月1日 |
価格 | 1980円(税込) |
-東日本大震災から検証する
東日本大震災でまたも明らかになった高齢者や障がい者への救助、支援の遅れや不備。その一方で優れた経験も多々発生。
日本弁護士連合会の調査団がその実情を調査し、社会的弱者の権利擁護の観点から浮き彫りになった課題と今後のあるべき対応を整理した報告書。今後の災害対策のために行政関係者、福祉関係者必読の書。資料も豊富です。
引用:あけび書房
ポイント
- 平成23年版高齢社会白書やNHKの調査によれば、災害時の全死亡者に占める60歳以上の高齢者の割合は65.2%に及び、障害者の死亡率は全体の死亡率の2倍に及んでいると報告されている(各発表当時)。
- 本報告書は、被災地で行った調査等を踏まえ、現行の法制度が大規模災害時における高齢者や障がい者などの要援護者への対応について十分なものでないという課題を明らかにするとともに、来る新たな災害に備えるべく、今後の対応として、現行の法制度につき改善すべき方向性や、災害時要援護者のために必要な包括的な法律の制定について検討するものである。
- 「喉元過ぎれば熱さを忘れる」とあるが、3月11日の出来事は忘れることを許されない重い出来事だ。本報告書の出版は、忘れることへの警鐘とするとともに、熱さをいつまでも保持して粘り強く災害法制の改善をしたいとの「証」とする狙いがある。
サマリー
本書作成の契機
東日本大震災は、岩手県、宮城県、福島県を中心に未曽有の被害をもたらした。
平成23年版高齢社会白書やNHKの調査によれば、災害での全死亡者に占める60歳以上の高齢者の割合は65.2%に及び、障害者の死亡率は全体の死亡率の2倍に及んでいると報告されている(各発表当時)。
高齢者や障がい者の中には平常時でも他者の支援を必要とする上、津波により支援する側も大きな被害を受けた。
このような状況下では、高齢者や障がい者への支援が十分に行われないことは容易に想像できた。
日本弁護士連合会(日弁連)の私達はそのような状況にある高齢者や障がい者のために、法律家として何ができるのか、何をすべきなのかを考えるため、被災地を訪問し、災害時に何が起きたか、災害後に何が問題であったかを確認し、確認された事実をもとに今後の課題を検討することにした。
本書に掲載している「災害時における高齢者・障がい者の支援に関する報告書」(2012年4月12日)は、2011年3月11日の東日本の地震と津波、原発事故に関し、日弁連の高齢者障害者の権利に関する委員会と高齢社会対策本部が合同で2011年4月に震災PTを立ち上げ、岩手県陸前高田、大船渡、宮城県の石巻、女川、福島県の相馬、千葉県の安房鴨川などの被災地の自治体、福祉施設、病院、被災者等を実地に調査した結果に基づいて作成したものである。
本書では、調査結果の概要と確認された課題を紹介し、今後対応すべきことを指摘している。
また、資料編として各現地調査報告書の詳細も掲載している。
本要約では、本報告書の目的と、主な指摘内容を紹介する。