【死なばもろとも】

インフォメーション
題名 | 死なばもろとも |
著者 | ガーシー(東谷義和) |
出版社 | 幻冬舎 |
出版日 | 2022年8月 |
価格 | 1,650円(税込) |
令和のダークヒーロー。
初の紙爆弾。
「俺はこれからも手は緩めない。ネタはいくらでもある。隠し玉として俺の手元に残しとるネタ以外に、120万人以上のフォロワーから毎日すごいネタのタレコミが入っとる。腐りきったこの国のドブさらいをきっちりやっていくんや。
ガーシーチャンネルを始めて、一つ大きな事実に気付いた。経済界、芸能界、政界、メディア。この4つの権力が密接に絡み合って女をモノのように扱い、カネですべてを握りつぶしている。無数のタレコミを精査しているうちに点が線になったんや。この世界はホンマ腐っとる。この権力構造を破壊しない限り、この国は終る。俺は悪党や。正義の味方やない。悪党にしかできない方法で腐りきった連中を地獄に落とす。
たとえ権力者が、何らかの方法で俺の口を黙らせたり俺の存在を消し去ったところで、ガーシー劇場は終わらない。
俺を生み出したのはこの国の不満や。
この国から不満がなくならない限り「第二、第三のガーシー」があとに続く。
オモロイのはこれからやで。
ほなの。
★ガーシーのグルメ&夜遊びガイド付き★
引用:幻冬舎
ポイント
- かれこれ30年近くにわたり、俺は芸能人やタレントのアテンダーとして生きてきた。歌舞伎町や銀座、六本木、さらには札幌、大阪、沖縄まで、かわいい女の子を血眼になって探し求め、その子らを有名人に紹介するアテント業が俺の職業である。
- 暴露系YouTubeに転身した理由は単純にギャンブルだ。ギャンブラーにとって大切なのは、勝負に勝ってカネを得ることではなく、勝負に勝ち続けること。頭の中で、あのヒリつきと興奮が片時も忘れられない、ギャンブルなしには生きられない体になってしまったのだ。
- 都合のいいときだけ人を利用し、世話になった恩義も忘れて、自分のことだけ考えて生きるような真心がない人間は最低だ。長年おつきあいする中で、島田紳助さんからこういった人間としての大切な流儀を教えていただいた。「忖度」と「恩義」は違う。
サマリー
逃亡者
ポケットの中で握り締めた110円のジャリ銭
成田空港から片道切符で約12時間のフライト、機内では気分が高揚して眠れない。
徹夜状態でドバイ国際空港に到着したとき、俺のポケットにはたった110円のジャリ銭しかなかった。
かれこれ30年近くにわたり、俺は芸能人やタレントのアテンダーとして生きてきた。
歌舞伎町や銀座、六本木、さらには札幌、大阪、沖縄まで、かわいい女の子を血眼になって探し求め、その子らを有名人に紹介するアテント業が俺の職業である。
アテンダーとして守ってきた絶対のポリシーは、人の秘密を徹底的に守ることだった。
2021年12月、俺の人生は激変した。
YouTuberのヒカルが、自分のYouTubeで俺の実名と正体を明かし、「BTS詐欺事件」といい募って攻撃を始めたのだ。
するとその瞬間から、それまでさんざんお世話になってきた芸能人たちが、一斉にソッポを向きポイ捨てしたのである。
アテンダーとしての半生をつぶされた俺は、鉄の掟を破り、すべてを暴露することにした。
死なばもろとも、もうすべてを失ったのである。
ギャンブル依存症がハマる「カネの底なし沼」
暴露系YouTuberに転身した理由は単純にギャンブルだ。
ギャンブラーにとって大切なのは、勝負に勝ってカネを得ることではなく、勝負に勝ち続けること。
頭の中で、あのヒリつきと興奮が片時も忘れられない、ギャンブルなしには生きられない体になってしまったのだ。
「俺が話を通すからBTSに直接会わしてやるよ」
そう約束して女の子からカネを集めたのは、最初から詐欺をやろうと思ったからではない。
27年もアテンダーとして活動してきた人脈を使って、あらゆるルートを駆使してツテをたどれば、彼女らを本当にBTSに会わせる自信はあったのだ。
だが、こんなにも簡単にカネが入ってくるのかと喜んでしまい、すぐギャンブルに使ってしまった。
2020年2月、アテンダーとして世話をしてきた俳優の新田真剣佑に頼み込んで、6000万円を種銭として借りた。
ギャンブルで一山当てれば、6000万円だろうが1億だろうが、必ず返せると信じていたのだ。
拇印つきの手書きの借用書も作り、2021年10月31日を期日として全額返済することを約束したが、博打での一発逆転はかなわなかった。
暴露系YouTuberガーシーの誕生
万が一逮捕されたら、最悪5年は刑務所に入ることになるらしい。
俺は、犯罪人引渡し条約がなく、ビザなしで渡航できるドバイへと脱出した。
しかし、日本からもってきた10万円も尽きてしまい、体を使うキツイ日雇い仕事も、どこまで耐えられるか分からない。
そんな先の見えない状況の中、暴露本のオファーがきたのだ。
俺は、タレント連中のことを友だちだと思っていたし、アテンダーとして墓場まで持っていくと決めたことを、世に出すのは違うと考えて断った。
だが、カネがない状況はまったく改善されず、久しぶりにタレントたちに連絡をしたが、返事が返ってきたのは数人だった。
俺はコイツらがさんざん困ったとき、警察事でもヤクザ事でも全部間に入ってきたではないか。
助けてとまでは言わないが、「大丈夫?」ぐらいは人として言えるだろう。
「もうええわ」と何かがプツンと切れた。
「俺の頭の中には世間の人が誰も知らない芸能界の闇が詰まっている。これをYouTubeでカネにしてやるぞ」
ここから、俺の第二の人生が始まったのである。
芸能界への扉
忖度と恩義は違う
カタギの世界には、貸し借りや恩義をおろそかにする者が多すぎる。
都合のいいときだけ人を利用し、世話になった恩義も忘れて、自分のことだけ考えて生きるような真心がない人間は最低だ。
長年おつきあいする中で、島田紳助さんからこういった人間としての大切な流儀を教えていただいた。
「忖度」と「恩義」は違う。
どうもパッとしない若手芸人は、レギュラー番組という利益がほしいから、プロデューサーに必要以上に気を遣う。
真心なく我慢と不満がベースにあるのが「忖度」だ。
対照的に「恩義」は、利益で結びついた人間関係ではないので、利益を得られなくても関係性は変わらない。
それどころか、恩をくれた人に対しては徹底的に恩返しする、これが真心がベースにある「恩義」の強さなのである。
俺のオヤジは、ギャンブルで首が回らなくなり自殺した。
オヤジが亡くなったとき、ムチャクチャ忙しい島田紳助さんは、線香をあげにわざわざ駆けつけてくれたのだ。
ここには損得など一切ない。
芸能界もそんな卑劣なヤツばかりではないのだ。