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【東大生が書いた 議論する力を鍛えるディスカッションノート】

インフォメーション

題名 東大生が書いた 議論する力を鍛えるディスカッションノート
著者 吉田 雅裕 著/東大ケーススタディ研究会 編
出版社 東洋経済新報社
出版日 2014年11月
価格 1,650円(税込)

シリーズ10万部突破!

「東大生が書いたノート」シリーズ最新作!

就活、ビジネスの会議、サークルの打ち合せ、家族会議など、

あらゆる「話し合い」で一生使える、誰も書かなかった知的生産法とは――

東大発、「グループディスカッション思考」を初公開!

「本書は就活のグループディスカッションをキッカケとして、

大学のゼミや勉強会、留学先でのグループワーク、サークルの打ち合せ、

さらには社会人の会議や家族会議にも応用できるような、

いわば『集団的な知的生産の枠組み』を提案し、それに基づいて実践的な

『ディスカッションの方法論』をできるかぎり体系的に説明しようとするものです」

――「はじめに」より

引用:東洋経済新報社

ポイント

  • GDとは「ランダムに選ばれた複数の学生が、与えられたお題の下で、制限時間内に即興で論議を行い、そのプロセスと成果物を評価する就職活動の選考方法」である

  • GDは集団で何らかの合意という成果物を作り上げるため、スポーツに例えるとサッカーに似ているかもしれない。チームプレーの中でメンバーにパスを回しながら、全員でゴールを目指すのである。

  • 成果物に直結する内容面における提供価値(ハード面)の価値を発揮するためには、大きく分けて「ナビゲーター(Navigator)」「サプライヤー(Supplier)」「オーディエンス(Audience)」の3つの役割がある。

サマリー

はじめに

皆さんは、GD(グループディスカッション)というものをご存知だろうか。

GDとは「ランダムに選ばれた複数の学生が、与えられたお題の下で、制限時間内に即興で論議を行い、そのプロセスと成果物を評価する就職活動の選考方法」である

現在の日本の就活においては、GDは就活生のほとんどが経験する採用プロセスとなっている。

お題も即興、メンバーも当日発表という極めて不確実なゲームといえるGDを、どう戦略したらいいのだろうか。

本書では、就活のためだけでなく、大学のゼミや勉強会、サークルの打ち合わせ、さらには会社の会議や家族内の話し合いにも対応できるようなGDを提案する。

サッカーのような要素のあるGD

現代のように職業が高度に専門化した時代においては、異分野の他社とコラボレーションする力がより一層求められている。

ビジネスや公的機関も専門家がチームを組んで、一定期間の中でプロジェクトとして進めていくワークスタイルが増えているのだ。

専門分野にこだわることなく、異分野の人と協働して集団的な知的生産を行っていく時代に、コラボレーションする力というのは、今後、絶対に必要なスキルと言えよう。

だが、コラボレーションはコツコツ学んでいくような堅苦しいものではなく、スポーツのように明るく開放的である。

集団で何らかの合意という成果物を作りあげるため、特にサッカーに似ているかもしれない。

会議、勉強会、ワークショップ、そして選考のGDなどにおいては、チームプレーの中でメンバーにパスを回しながら、全員でゴールを目指す。

しかしながら、何本シュートを放っても、形になるゴールはわずかだ。

選考のGDは、実際の社会における論議のあらゆる要素を含んでおり、コラボレーションの実験的な場になるであろう。

ポジショニング(ハード編)

サッカーでは、フォワード、ミッドフィルダー、ディフェンダーなどのポジショニングがあるが、これは知的なチームスポーツである GDでも同じことが言える。

ここでは、成果物に直結する内容面における、提供価値(ハード面)の価値の出し方を考えていく。

ハード面の提供価値を発揮するためには、大きく分けて「ナビゲーター(Navigator)」「サプライヤー(Supplier)」「オーディエンス(Audience)」の3つの役割がある。

また、各役割のプレイヤーは2つの仕事を持っており、臨機応変に混ぜながら、独自の価値観のブレンドで場に貢献しているのだ。

◆ナビゲーター

「問いを創る人」が、ナビゲーターのもっとも重要な役割だ。

まさしく、論議の骨組みを作り出す存在であり、期待される貢献度は非常に高度である。

ここで議論の成果物の品質のポテンシャルが、ほぼ決まると言っても過言ではないのだ。

①前提確認

面接官から与えられるお題は、通常きわめて漠然としているため、まず前提となっている条件をすべて洗い出し、明確にしていく必要がある。

選考のGDでは軽んじられがちだが、前提設定は議論の方向性を決定づけるため、とても重要なものなのである。

②論点設定

参加者が答えるべき問いである論点を設定する。

そのままでは取り組みづらい論点を、議論できる手頃な質問に細分化し、発言の機会を作り出すのがナビゲーターの本業だ。

ハードのポジショニングにおいては、最も重要な仕事となる。

◆サプライヤー  

「ナビゲーター」が問いを創ることに対して、「サプライヤー」は「問いに答える人」になる。  

①仮説立案  

ここでの仮説とは、問題を分析するアプローチ案や、根本的な原因であるボトルネック、打ち出しのアイデアなどすべての内容が含まれる。  

成果物を形作り、充実した論議になるかを決める重要な貢献なので、発言量が一番多く求められる仕事だ。  

②情報提供  

仮説だけでは「裏付け」ができないため、何らかの情報を用いて仮説を実証する必要がある。  

そこで求められるのが情報提供の役割だ。  

時に議論の方向性を決めてしまう重大な情報の提供は決定的な重しとなり、その後の流れを決定づけることがある。  

◆オーディエンス  

「ナビゲーター」が創った問いに「サプライヤー」が答え出し、それを第三者的な立場から評価する役割だ。  

簡単にいえば、「答えをいじる人」である。  

①内容整理  

供給した仮説や情報がたまっていくため、きちんと整理する必要がある。  

内容整理に求められるのは、ごちゃごちゃした皆の発言や合意内容を、すっきりとした枠組みで整理していく、思考系の「構造化」スキルである。  

②内容評価  

「サプライヤー」が供給した仮説や情報に対して、第三者的に修正や補足などを行う仕事である。  

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© 音声: VOICEVOX 青山龍星(男性)、VOICEVOX NEO(女性)
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この要約の著者

大学で教育学を学んだ後、心理学にも興味を持ち、再び大学へ入学。
卒業後、心理カウンセラー(民間)の資格を取得して、地元の病院へ就職。
以後30年以上、さまざまな病院で医療従事者として勤務。
2023年、サマリーオンラインに参画。累計100記事以上の要約記事を制作。
「本で人生を変えてもらいたい」との想いで精進中。

好きな本:
『道をひらく(松下幸之助/PHP研究所)』
『私の生活流儀(本多静六/実業之日本社)』
『逆境を越えてゆく者へ(新渡戸 稲造/実業之日本社)』

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