【Z世代化する社会 お客様になっていく若者たち】

インフォメーション
| 題名 | Z世代化する社会 お客様になっていく若者たち |
| 著者 | 舟津 昌平 |
| 出版社 | 東洋経済新報社 |
| 出版日 | 2024年4月 |
| 価格 | 1,760円(税込) |
「世間の人々が若者に不満を持つのは古今東西変わらないようで、古代エジプトの遺跡の壁画にも『近頃の若者は……』って、書いてあったらしい。ちなみにこの話はネットで流行ったウソなのだけども、そんなウソ話がリアリティを持つくらい、人々は若者にいつも呆れているし、若者はいつも呆れられている」
――「第1章」冒頭より
「まったく、近頃の若者は!」と嘆くあなたも「Z世代化」している!?
ゆとり世代の東大講師がコミカルに語る衝撃の若者論!
「PTAに言いつけますけど、いいんですか?」
「気難しい表情の上司は存在がストレス」
「怒らない=見捨てられた。だから、いい感じに怒って」
「職場環境はいいけど、社名を自慢できないから転職します」
若者を見ればわれわれの生きる「今」の、社会の構造が見えてくる!
引用:東洋経済新報社
ポイント
- Z世代と言うのは、未知のエイリアンが攻めてくるような否定的なニュアンスを感じさせる。しかし、学校や会社、社会の在り方がおおいに影響した結果だというのが著者の意見である。
- Z世代と呼ばれる若者たちを観察することで、われわれが生きる社会の在り方と変化を展望しよう。
- 近頃の若者は、、、と不満に思うネガティブな側面と将来への希望の存在だと思うポジティブな側面のアンビバレントな状況から若者に対して擁護と攻撃の両方が混在している。
サマリー
「若者」のこと、どう思いますか?
この問いに対して、答えるあなた自身が若者かどうかの判断を遠回しに聞かれているのである。
実際に若者である場合は改めて問われると、若者である自覚がないことが多いので面食らう。
それに対し、若者でない場合は異様な熱を持って、また偏見を持って考察や分析をしていることもある。
改めて「若さ」について考えてみるとなかなか不思議な概念である。
例外なく全ての人にとって身近で普遍的なテーマなのだ。
若者とのコミュニケーション
Z世代との対話
著者は経営学者であり、授業を通じて若者と交流することが多く、本書において若者は
大学生をイメージしている。
若者とのコミュニケーションは楽しくもあるがシンドイものもあると言う。
そもそも若者は経験に乏しく、なぜそうなるのか、どういうことなのかと叫びたくなるような場面があったり、同じ人間同士の会話とは思えないことが多々ある。
Z世代と言うのは、未知のエイリアンが攻めてくるような否定的なニュアンスを感じさせる。
しかし、学校や会社、社会の在り方がおおいに影響した結果だというのが著者の意見である。
マイナスな面を述べてきたが、若者と接し対話することで貴重な経験にもなる。
常に新鮮で新しい若者だが、どこかわれわれとも地続きでもある。
ここで言うわれわれは、若者とそうでない人はいろんなものを共有していて、同じ穴のムジナなのだという意味がこめられている。
若者とわれわれ
「ある村で、若者だけに感染する病が発見された。若者が次々と病気にかかっていく。それを見て、お偉いさんや親族は『これだから若者は』『若者の生活がたるんでいるのでは』『昔はこんなことなかった』などと若者を責め、病の原因を若者の資質に求める。
ところが、この病気は『若者であるほど早く感染する』というだけで、実はすべての年齢層に感染するものだった。かくして、村は老若男女、この病気に侵されていくのだった」
理解し難い若者についても深く追求すると、そういう理由でその行動に至ったのかと気づく。
果たして、自分はその理由と無関係だろうか、自分だったらその行動はしないだろうかと疑問に思う。
若者を若者たらしめるもの、「社会構造」はわれわれにも同じように影響しているのだ。
社会と若者
Z世代と呼ばれる若者たちを観察することで、われわれが生きる社会の在り方と変化を展望しよう。
若者論は世の中に溢れているが、本書の独自性は2つある。
まず、企業やビジネスといった視点が中心であること。
学校や受験などの教育がテーマであるものが多い中で、本書のようなビジネスを前面に出した若者論は珍しいだろう。
そして、若者を「他人」にしないこと。
イメージだけで若者を語るものが多い中で、著者はZ世代そのものと丁寧にコミュニケーションをとり、聞き取ることを大事にした。
十分に対話をしたらその人の全てが分かるわけでもなく、大学生にとって著者は
「他人」であり、エイリアンに近いのだ。分かるわけがなくても聞いたり対話しないよりは
マシなのだ。
また、本書は幅広い層の読者に読まれることを想定している。
若者とのコミュニケーションに悩んでいる人やイマドキの若者に興味がある人を対象にしつつ、
若者自身が読んでもおもしろいように工夫した。
若さは普遍的であり、若者を見ることで社会の仕組みが見えるとすれば、
本書は全ての人に開かれたものであるはずだ。
