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明け方の若者たち

読むのにかかる時間 約 4 分

目次

インフォメーション

題名明け方の若者たち
著者カツセマサヒコ
出版社幻冬舎
出版日2020年6月
価格1,540円(税込)

登場人物


 主人公。 勝ち組飲み会で“彼女”と出会う。

・彼女
 勝ち組飲み会で“僕”が出会った少し年上の大学院生。

・古賀尚人
 「僕」が入社した出版社の同期。

あらすじ

※一部、ネタバレを含みます。

※本記事は要約記事ではなく、自身の言葉であらすじ及び感想を書いたものです。

「私と飲んだ方が、楽しいかもよ?」

「勝ち組飲み会」と称される退屈な飲み会に参加していた大学四年生の“僕”。

偶然その場に参加していた“彼女”から、「携帯をなくしたみたい。番号言うから電話して」と言われ、連絡先を交換した後、「私と飲んだ方が、楽しいかもよ?」というメールをもらう。

何かビビッときた“僕”はそのメールに返信して飲み会を抜け出す。

ある公園に彼女はいた。

ハイボールを片手に語り合い、別の日には有名ファミレスで潰れるまで飲み明かす。

ここから“僕”は“彼女”の沼にはまっていく。

二人の生活

“彼女”との生活を楽しむ傍ら、印刷会社に就職した“僕”は、思い描いていた未来と現実とのギャップに「こんなハズじゃなかった」と苦悩していた。

そんな“僕”に対して、“彼女”や同僚の古賀は、引っ越しを手伝ってくれたり、一緒に夜中まで飲み明かしてくれたりなど、青春と呼ぶには少し遅い青春を楽しませてくれていた。

しかし、ある日を境に“彼女”からの連絡が途絶えてしまう。

突然訪れた別れ

彼女からの連絡が途絶え、落ち込む“僕”。

古賀はそんな“僕”を励ますが、

「いくら好きでも、相手が既婚者だったら、ハッピーエンドは望めねえよ。」

と、一言だけ言う。

そう、実は“彼女”は既婚者だったのだ。

彼女の秘密

“彼女”に真実を明かされたのは、出会った日の夜の公園だった。

「夫が三年くらい海外出張に行くことになって、実質独身」と彼女は言ったが、片時も左手薬指の指輪は外さなかった。

そもそも、どうして“彼女”は“僕”を選んだのか。

彼女は一言だけ、「横顔が、夫に似ていたから」と告げる。

“僕”にとって、この言葉は人生最大の最悪な言葉になったのは言うまでもない。

苦悩する僕

そのまま別れた“僕”と“彼女”。

どうしたって別れた彼女のことを思い出してしまう“僕”は仕事を休むほど塞ぎ込んでしまう。

古賀はそんな“僕”を引っ張りだし、なんとか普段通りの生活を送らせる。

彼女を忘れようと“僕”はお金とお酒を使って、日々を過ごしていく。

そんな中、勢いで行った風俗で“僕”は今までの思いをすべてぶちまける。

クリスマス前の道玄坂でのその夜が、“僕”の悲しみの底だった。

思い出の公園

「すべては時間が解決してくれる」の言葉通り、次第に悲しみは薄れていく。

そんな中、古賀が会社を辞めることを知った“僕”。

古賀に感化された“僕”は“彼女”と一緒に過ごしていた高円寺からの引っ越しを決め、新たな挑戦を決意する。

そんな矢先、あの「勝ち組飲み会」を主催した人物から久し振りに連絡が入り、試しに“僕”は会ってみることに。

すると、マルチの勧誘を受け、思わず苦笑い。

古賀にそれを報告し、僕はあるところに向かう。

向かった先は“彼女”と初めて出会った公園。

誰もいない遊具の上にはハイボールの缶が二つ。

写真を撮ろうとスマホを取り出そうとしたときに“僕”は気づく。

携帯電話、なくしたみたいだ。

ライターのコメント

この話を読んで、私の物語だと思った。

僕と彼女のデート内容、待ち合わせていた場所、別れ方。

読み進めていくにつれてどんどん自分の話であるように思えてきて、「23.24歳が人生のマジックアワー」という言葉は刺さるものがあった。

解説にて、映画監督の松本花奈さんが同じ事を書いていて、思わず笑ってしまった。

この話は傷ついた心に寄り添ってくれ、刺さる人には刺さる、そんな作品である。

特に、新社会人や20代の若者には、“僕”が感じる仕事へのモヤモヤや、将来への漠然とした不安など、共感できる部分が多いと思う。

また、この作品は映画にもなっている(監督はもちろん、松本花奈さん)が、原作通りの作品で、よりリアリティな作品となっている。

そちらも是非、楽しんでいただきたい。

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