【ワーク・ルールズ!】

インフォメーション
| 題名 | ワーク・ルールズ! |
| 著者 | ラズロ・ボック |
| 出版社 | 東洋経済新報社 |
| 出版日 | 2015年7月 |
| 価格 | 2,640円(税込) |
全世界話題!Googleの人事トップが採用、育成、評価のすべてを初めて語った。創造性を生み出す、新しい「働き方」の原理を全公開!
Googleはいったいどんな仕組みで動いているのか?誰もが抱くこの疑問に、Googleの人事トップが答えます。21世紀の最強企業をかたちづくる、採用、育成、評価の仕組みをすべて惜しげもなく公開。本書で紹介される哲学と仕組みは、Googleだからできるというものではなく、あらゆる組織に応用できる普遍性を持っています。
古いやり方で結果を出せと言われて困っているリーダー、古いやり方で評価されてやる気をそがれている若手、もっとクリエイティブに仕事をしたいと思っている人に知ってほしい、未来の働き方とは。いま働いているすべての人、これから働くすべての人に贈る、新しい働き方のバイブルとなる一冊。
著者は2006年にGoogleに入社。あらゆる企業の人の扱い方に影響を与えたいという信念の下、Googleに入ることを選択。同社の従業員が6000人から6万人に増えていく過程で、Googleの人事システムを設計・進化させてきた責任者です。Googleは、世界各国で「最高の職場」として認められ、多くの賞を受賞。
いったい、Googleは、どんなやり方で人を選んでいるのか?そうして選んだ人材に、どんな機会を与えているのか?優秀な社員同士に最高のチームをつくってもらう秘訣とは?社員をどう評価して、モチベーションを最大に保っているのか?働き方をめぐるこれらの重大テーマに、次々と答えを出していきます。
《本書の主な内容》
●Google人事トップによる、ベストチームを作りたい人へのアドバイス
●なぜ一流大卒というだけではGoogleに入れないのか?
●ハーバード大に入るより25倍も難しいと言われるGoogleの採用基準とは?
●Googleは、社員の死後10年間、給与の50%をパートナーに支給している!?
●同じ仕事でも、100倍の報酬差がついていい。
●qDroid、Googleガイスト、プロジェクト・オキシジェン、UFSなど、Googleが採用している人事の具体的仕組みを全公開!
●実験とデータを活用して制度を進化させるGoogleの工夫とは?
●朝起きて、ワクワクしながら行ける会社って、どんな会社?
●機械に負けない、人間らしいクリエイティブな働き方ってどんなもの?
●人事に関する不満と不安を最大限減らすには、どうやればいい?
《世界の著名人がこぞって絶賛!》
「才能あふれるチームのつくり方がわかる」ダニエル・ピンク(『ハイ・コンセプト』著者)
「未来の働き方をつくるビジョンを示している」アダム・グラント(『GIVE&TAKE』著者)
「現代の傑出した人材を率いるためのバイブルだ」ティム・ブラウン(IDEO社CEO)
ほか、ラム・チャラン、ジェフリー・フェファーなど、各界から続々推薦!
引用:東洋経済新報社
ポイント
- 本書は、Googleの人事担当上級副社長であったラズロ・ボックが、自社の経験をもとに「人と組織のあり方」を体系的にまとめた書である。
- グーグルは社員への投資の初期段階に力を入れており、採用にかける費用は平均的な企業の2倍以上になる。その目的は、上位10%に入る求職者を選び、採用後のコストや労力を抑えることにある。
- 並外れたチームや組織をつくり始めるのは創業者であるが、実は誰もが創業者になれるし、みずからのチームの文化を創造することができると著者はいうのだ。
サマリー
グーグルはどんな仕組みでうごいているのか
本書は、Googleの人事担当上級副社長であったラズロ・ボックが、自社の経験をもとに「人と組織のあり方」を体系的にまとめた書である。
毎年、数万人が世界中にあるグーグルの施設を見学に訪れる。
そして、グーグルの仕組みやグーグルの文化、人材の採用について、誰もが多くの疑問を持っているという。
しかし、グーグルには公式のルールブックや就業規則はない。
そのため、誰もが抱く多くの疑問に答えるために、著者の見解をまとめたのが本書である。
著者は、グーグルが人事で収めている成功の秘訣は、大企業に属する個人やCEOであっても再現できるものであるという。
そして再現に必要なのは、「社員は基本的に善良な存在だ」という信念と、社員を機械ではなくオーナーのように扱う勇気だと断言する。
著者がまとめた本書『Work Rules!』の内容は、グーグルの発展の基盤となる採用、育成、評価と多岐にわたる。
本要約ではグーグルの型破りな「採用」を中心に紹介する。
採用は組織における唯一にして最重要の人事活動
グーグルは社員への投資の初期段階に力を入れており、採用にかける費用は平均的な企業の2倍以上になる。
その目的は、上位10%に入る求職者を選び、採用後のコストや労力を抑えることにある。
グーグルは、採用における他社との激しい競争の中で、採用の方法を根本的に考え直し、2つの面で大きく変えたのだ。
1つ目の変化は、採用にもっと時間をかけることである。
ほとんどの業界でトップレベルの人材は、現在の居場所で成功を収めているので、残念ながら「入社志願者」をもとに素晴らしい人物を採用できる可能性は低いと明かす。
だからこそ、たとえ採用時期が遅れたとしても、一流の人物は待つだけの価値がある、つまり、時間をかける価値があるというのだ。
実際、初期のグーグラーであるジェフ・ディーンは、世界一速く正確な検索を可能とするキーパーソンとなった。
その他にも、サラー・カマンガ―という人物の活躍により、株主には数十億ドルの、広告主には数千億ドルの価値が生み出され、ユーザーの検索における快適さが増した。
採用の方法の2点目の変化は、自分より優秀な人物だけを雇えというシンプルかつ強力な原則だというものだ。
著者自身、傑出した人物を探すことに時間をかけ、ある人物は入社まで4年も待ったこともあるという。
採用時、マネージャーは自分のチームを選抜したがるが、著者はマネージャーに採用の権限を手放してもらう必要があると言い切る。
マネージャーに採用決定を任せると、マネージャーの権限が肥大化し、チーム内の力関係が固定化されたり、妥協して採用されたりするリスクが高まるからだ。
こうした型破りの採用法は、これまでのグーグルの発展の基盤となっているのである。
いかにして最高の人材を採用するか
グーグルは、社員数が約2万人に達するまで、ほとんどの社員が週に4〜10時間を採用に費やし、最高幹部は丸一日を費やすことも多かったようだ。
少なく見積もっても、採用に年間8万〜20万時間以上が使われたことになる。
このような型破りのグーグルの採用方法は、相当な時間と労力をかけているので、再現性は低く見えるだろう。
しかし、著者は、以下の4つの簡単な原則に従えば、中小企業やスタートアップ企業などの小さなチームでさえ採用を大幅に改善できると説く。
①求める人材の質の基準を高く設定する
②自分自身で採用候補者を見つける
③採用候補者を客観的に評価する
④採用候補者に入社すべき理由を伝える
具体例は本書で解説されているが、実際に行うと多くの壁にぶつかる。
なぜなら、多くのマネージャーや面接者は自分の直感に反するデータを嫌い、つい感覚に頼ってしまうからだ。
しかし、人材の質を確保するためには、そのような圧力に屈することなく、自分より優秀な人材を求め、上記の4点を軸に採用に取り組むことを強く勧めている。
著者は繰り返し強調する。
「あなたがチームや組織の改革にかかわっているなら、そのための唯一にして最善の方法は、より良い人材を採用することだ」
