【AIに負けない子どもを育てる】

インフォメーション
| 題名 | AIに負けない子どもを育てる |
| 著者 | 新井 紀子 |
| 出版社 | 東洋経済新報社 |
| 出版日 | 2019年9月 |
| 価格 | 1,760円(税込) |
AIに仕事を奪われない!
読解力アップの実践法
日本中で騒然の書『AI vs. 教科書が読めない子どもたち』、待望の続編
AIが苦手とする読解力を人間が身につけるにはどうしたらいいのか?
読解力向上のために親、学校、個人ができることを提言
小学校・中学校で実際に行われて成果をあげている授業・取組みを公開!
大人が読解力を身につける方法も明らかにする
あなたは大丈夫? すぐにできる「体験版リーディングスキルテスト」収録
引用:東洋経済新報社
ポイント
- 読解力を測るRST(リーディングスキルテスト)を開発した。近年、文章の誤読による理不尽な批判や文章問題を理解できない子ども達が増えたからだ。
- 著者は10年間の東ロボプロジェクトを通してAIの可能性と限界を広く示した。AIが全てにおいて万能ではないことを理解する必要があると説いた。
- AI時代を生き抜くには、正しいAIリテラシーを身につける必要がある。そのためにも読解力を向上させることが必要不可欠だ。
サマリー
音声で聴く
近年の読解力
著者が以前出版した「AI vs. 教科書が読めない子どもたち」に様々な方々から感想が届いた。
文筆業の方々は、近年とても理不尽で理解に苦しむ非難が多かったが、実は悪意ではなくそもそも文章を読めていないからなのではないかと考え始めたと言う。
学校の先生たちからも文章問題を解けない生徒は読解力不足により、何を問われているのかが分からないのではないかという声が寄せられた。
著者らは読解力を測るためにRST(リーディングスキルテスト)を考案した。
短い文章問題の意味が同じか異なるかを選択する問題だ。
①「幕府は、1639年、ポルトガル人を追放し、大名には沿岸の警備を命じた」
②「1639年、ポルトガル人は追放され、幕府は大名から沿岸の警備を命じられた。」
答えは、「異なる」だ。
しかし、中学生の正答率は57%に留まった。
中学生に限らず、高校生や社会人の間でも誤読をする人は多い。
特に企業においては、現場での仕様書などの誤読によるトラブルが続くと、有能な人から転職してしまうと言う。
こうした危機感からか前著から一年の間に小学生から一流企業までの14万人の受験生がRSTを受けた。
その前の3年間も含めると18万人の受験者だ。
本書では、RSTの最新の研究結果と実際に試せる体験コーナーを設けたので是非挑戦してみてほしい。
東ロボプロジェクト
AIブーム
著者は2011年から10年かけて「ロボットは東大に入れるか」という人工知能のプロジェクト(東ロボ)を率いてきた。
様々なAI技術の中でも確率と統計を駆使する機械学習を用いれば日本最高峰の東大入試は突破出来るのか。
今、そして将来のAIの可能性と限界をプロジェクトの過程を通して世の中に広く開示し、来たるAI時代に正しく備えてもらうのが目的である。
2011年1月はAIブームが訪れるとはまだ誰も予期していなかった頃だった。
しかし、ゼロ年代の機械学習の精度向上やデジタル情報の爆発的な増加からまたAIブームが来ると予感していた。
また、GAFA(Google、Amazon、Facebook、Apple)がAIブームをリードし、都合の良い情報のみを発信するだろう。
AIが本来不得意な分野であるにも関わらず、日本が詳細を熟考せずに投資してしまう未来が著者には見えていた。
日本の大学入試をベンチマークに
GAFAの宣伝に踊らされることなく、正しいAIリテラシーを習得してほしい。
そのためのベンチマークを日本の大学入試に設定した。
ベンチマークは、AIの性能を測るためのテスト問題集のことだ。
公平で日本独自であり、今のAIで正解率が90%に満たない条件で著者が思いついたのが異様なほど正確性に厳しい日本の入試だった。
アメリカのSATやACTにしないと国際会議に論文を通せないなどの周りの声もあった。
だが、同じ土俵に立って戦っても取り込まれてしまうだけだとしてその声は聞き入れなかった。
2013年から、東ロボで開発されているAI群はセンター入試模試と東大模試を受け始めた。
同年からいくつかの大学から合格可能性80%以上の判定を得た。
その後も、
・2014年:箱根駅伝レベルの大学に合格可能性80%以上の判定
・2016年:MARCH・関関同立レベルの複数の有名私立大学からも合格可能性80%以上の判定
・数学の成績が飛躍的に伸び東大模試では偏差値76.2(東大理Ⅲ合格レベル)
・世界史の大論述でも相応の答案を書き偏差値51.8を達成
数学と世界史に絞ると東大志願者の平均を超える成績を収めた。
