【パラダイムシフト 新しい世界をつくる本質的な問いを議論しよう】
インフォメーション
題名 | パラダイムシフト 新しい世界をつくる本質的な問いを議論しよう |
著者 | ピョートル・フェリクス・グジバチ |
出版社 | かんき出版 |
出版日 | 2020年12月2日 |
価格 | 1,760円(税込) |
ベストセラー『ニューエリート』の著者であり、未来創造企業プロノイア・グループ(ギリシア語で「先読みする」「先見」を意味する)を率いるピョートル氏が、「これからの世の中」を歴史、経済、産業といった幅広い視点から考察した1冊です。日々、目まぐるしく動く世界に対して、どう向き合い、チャンスをつかむのか?を語りました。
また本書では、各分野のトップランナー計21名に 著者が 「これからの世界」「パラダイムシフト」についてインタビューした内容を収録。彼らがコロナ前後の劇的な状況やこれまでに起きた危機をどのようにとらえ、意思決定してきたか、そして訪れる変化をどのように活かしてきたか? をまとめました。今後、伸びる領域、中小企業のポテンシャル、これからの教育やコミュニティのあり方、日本人の強みなどなど、インタビューを通して読者のマインドを刺激する1冊です。
引用:かんき出版
ポイント
- パラダイムシフトとは「思想や価値観、社会観念が劇的に変化すること」を言う。今後も生じる未来のリスクに備えるためには、視野を広げ、地球にとって人類が生存し続けるという本質的なテーマに立ったパラダイムシフトが大切。
サマリー
パラダイムシフトとは
パラダイムシフトとは「思想や価値観、社会観念が劇的に変化すること」を言う。
新型コロナウイルスの世界的大流行をきっかけとしたパラダイムシフトとそこにある本質的な「問い」について、次の4ステップ、
①自分と自分の状況を認識すること
②世界の状況を認識すること
③自分には選択肢があることを自覚すること
④選択したことに対する責任と自分が与える影響を考えること
から捉える。
行き詰まった資本主義社会
産業革命を経て資本主義へと発展する中で、経済は活性化され、世界は繁栄してきた。
だが都市への人口集中や貧困問題、環境問題、気候変動など、新たな問題が生まれた。
資本主義の傘の下で、投資家、経営者、労働者、消費者が資本主義の「バイアス(得られる情報が偏っていることによって生じる認識の歪み)」に気づかず、経済的合理性(投資したお金、労力、時間の効用や利益の最大化)の追求に邁進する。
このままではいずれ行き詰まるという危機感から「SDGs(持続可能な開発目標)」のような世界共通の新たな指標も生まれたが、競争で成り立つ現在の資本主義に代わるシステムが必要だ。
なぜパラダイムシフトが不可避なのか
人類はこれまで数々の変化や危機に直面し、既存のパラダイムで解決不可能ならば、新しいパラダイムを追求してきた。
たいていの場合、パラダイムシフトは世代交代に伴ってゆっくり進むが、危機によっては社会のパラダイムも個人のパラダイムも一気に変わる。
今後も生じる未来のリスクに備えるためには、視野を広げ、地球にとって人類が生存し続けるという本質的なテーマに立ったパラダイムシフトが大切だ。
バイアスはパラダイムをつくり、パラダイムはバイアスをつくる
変化の激しい状況下では、人の思考にパターンが表れる。
経験や根拠が不十分なまま、早まった結論づけをする「一般化」、結論への飛躍により相手をネガティブにとらえたり、悲観的な未来を描く「省略」、自分に対する脅威を、実際よりも過大に受け取ったり、チャンスを過少に捉える「歪曲」。
このような思考パターンの背景には認知バイアスがある。
無意識に働く心理的動作である認知バイアス(正常性・楽観主義・確証・悲観主義・同調・現状維持)に気づき、パラダイムを変えることが大切だ。
「働く」の意味を問い直す
新型コロナウイルスをきっかけに、働き方のパラダイムシフトが進んでいる。
推奨したいのは、「インテンショナルワーカー」という働き方。
自らの意思で動いて仕事をすることだ。
自分の人生で何を目指し、何を得たいのか、ゴールを明確にイメージし、そのためにどんな働き方が最適なのかを考える。最適な働き方をプログラム化することが、本来の働き方だ。