【究極の判断力を身につけるインバスケット思考】

インフォメーション
題名 | 究極の判断力を身につけるインバスケット思考 |
著者 | 鳥原 隆志 |
出版社 | WAVE出版 |
出版日 | 2011年5月 |
価格 | 1,650円(税込) |
一流企業の管理職登用試験にも使われる、インバスケット・ゲーム。初の入門書!
問題発見力・意思決定力・分析力・洞察力・創造力・対人スキル・組織活用力 and more…
現役管理職・管理職をめざす人のみならず、仕事に取り組むすべての人が習得したい力、それが「インバスケット思考」。
制限時間内に「未処理箱(インバスケット)」案件を片づける、
リアルなシミュレーション・ゲームをとおして、仕事で求められる本当の力がわかる。身につく。
――洋菓子店に勤務する23歳の青山みあは、ある日突然、店長の辞令を言い渡された。
翌日からの海外研修を前に、60分という時間制限のなかで、
未知の20案件を処理しなくてはならない窮地に陥ったみあは……。
『実践問題 みあの「はじめてのインバスケット」』の問題と解説を収録!
引用:WAVE出版
ポイント
- インバスケットは、1950年代にアメリカ空軍で生まれたトレーニングツールであり、制限時間内に架空の役職・人物になりきり、多くの未処理案件の処理を行うビジネスゲームだ。
- ゲームを楽しむにはルールがある。①主人公になりきる②時間を意識する③自分自身の実力で考える④絶対的な正解がないことを理解する
サマリー
音声で聴く
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インバスケット思考とは
インバスケットはシミュレーション・ゲームである
インバスケットは、1950年代にアメリカ空軍で生まれたトレーニングツールであり、制限時間内に架空の役職・人物になりきり、多くの未処理案件の処理を行うビジネスゲームだ。
現在では、日本でも一流と呼ばれる大手企業の管理職の教育や、選抜用のテストとして活用されている。
インバスケット思考には、特殊な技能や能力、まして卓越した記憶力など必要ない。
ただ、多くの案件や業務を短時間で精度高く処理するために、次の3つが必要になる。
⑴優先順位をつける
⑵正しい判断方法や案件処理方法を身につける
⑶能力の発揮度を高める
今持っている自分の判断スタイルはそのままで、このゲームを行うことで何か一つでも気づきがあれば、良い判断に近づくであろう。
インバスケット・トレーニングのルール
ゲームを楽しむにはルールがある。
①主人公になりきる:客観的に観察したり、他人事のようにとらえてはいけない。
②時間を意識する:本題では60分で20案件処理する設定になっているので、優先順位をつけて処理をする。
③自分自身の実力で考える:あなたなら、どう判断し、どう行動するかについて考える。
④絶対的な正解がないことを理解する:あなた自身の判断や行動を解説などと比較して、どの点が違うのかを理解することだ。
あなたはこれから、「多摩洋菓子株式会社」の東京中央店店長の役職を演じる。
多摩洋菓子株式会社は、関東・近畿地方に46店舗を展開する、年商45億円の業界中堅クラスの企業だ。
しかし、昨今の不況により経営不振になり、経営陣を大幅に入れ替え、営業改革を進行中である。
【名前】青山みあ 23歳
【部署】三ツ谷店の洋菓子部門チーフ
【経歴】
高校時代から6年間のアルバイト勤務を経て、多摩洋菓子株式会社に入社。持ち前の明るさと責任感とチャレンジ精神で、不振だった三ツ谷店の洋菓子部門の業績を立て直し、全店舗トップの成績をおさめた。
その功績から社長賞を受賞し、副賞として明日から6日間、ベルギーの菓子業界の視察研修に参加することになっている。
みあの「はじめてのインバスケット」
急に行けなくなりました
201X年12月14日、みあに突然、東京中央店の店長が任命された。
東京中央店は多摩洋菓子店の中でもトップクラスの売上店である。
明日から海外研修のため、今から売場指導員の甲斐と引継ぎをしてくるよう上司から指示される。
だが、店に着くと甲斐からのメールがあり、緊急事態発生のため今日は来られないこと、さらに、12月16日〜20日まで特別休暇で不在になるとのことだった。
Q、あなたならどのような判断・行動をとりますか?
1、来ないならしかたない。頼りにならない指導員だと見切りをつける。
2、とりあえず、資料の確認のみを行う。
3、甲斐に今後の支援と、甲斐の休暇と自分の研修が重なるので、他の指導員へお店のフォローをお願いする。
4、他店のことも重要かもしれないが、自分がこれだけ窮地に立たされているのに来ないなんてと強く抗議する。
青山みあの判断:急に来られないなんて、私ひとりでどうすればいいのか。
でも、たくさんの資料を用意してくれたので、海外研修中にこの資料に目を通しておこう。
甲斐からのアドバイス:
青山さんは辞令を受け取った時点でこのお店の店長なのだから、今までとは違った立場になることを認識することが重要だ。
つまり、青山さんが主体になり、すべての案件に対して自主的・自発的に取り組む姿勢が求められる。