【プロの課題設定力―問題解決力より重要なビジネスリーダーのスキル】

インフォメーション
題名 | プロの課題設定力―問題解決力より重要なビジネスリーダーのスキル |
著者 | 清水 久三子 |
出版社 | 東洋経済新報社 |
出版日 | 2009年7月31日 |
価格 | 1,650円(税込) |
良い答えを生むには良い課題が必要だ。課題をうまく設定できれば仕事は9割成功したと言える。コンサルタントを育成するプロが、期待を超える仕事をするための課題設定の方法を伝授する。
引用:東洋経済新報社
ポイント
- 何をやるべきかを見極める。言葉にすると簡単であるが、実は難易度がものすごく高い。
- 自らの頭で「何をやるべきか」を考えることが、一人ひとりに求められている。
- 課題設定のスキルが、あなたの仕事のパフォーマンスと、人材としての市場評価を、ワンランクもツーランクも高める。
サマリー
はじめに
昨今、「問題解決」は市民権を得た言葉となってきた。
ビジネスパーソンに限らず、小学生を対象とした問題解決の書籍も出ている。
一方で、本書でご紹介する「課題設定」については、比較的なじみの薄い言葉ではないだろうか。
少なくともスキルやノウハウとしては、まだまだ認知されていないように感じている。
しかし、課題設定は、問題解決と同じか、それ以上に重要なビジネスのコアスキルである。
プロの課題設定力を伝えていきたい。
本書から課題設定のノウハウを学び、皆様が「またあなたに仕事を頼みたい」というプロフェッショナルとして掛け替えのない一言を得られることに少しでも貢献できれば、これに勝る喜びはない。
課題設定がビジネスの成果を変える
間違った課題設定では満足な成果は得られない
私たちコンサルタントの仕事は多岐にわたる。その一つに課題設定がある。
「現状」と「あるべき姿」を把握し、「あるべき姿」になることを阻害している「問題」を見極め、それを解決する手立てを設定する。
これが課題設定である。
一言でいうと、「今、何をやるべきかを見極める」ということである。
何をやるべきかを見極める。言葉にすると簡単であるが、実は難易度がものすごく高い。
ビジネスの成否はある意味ここで決まると言っても言い過ぎではない。
どんなに問題解決力が高く、業務処理能力が優れていても最初のスタート地点である課題設定を間違えては、それらの能力を発揮することができない。
その後どんなに頑張ったとしても、間違った方向で満足な成果は期待できないだろう。
費やした労力と比べて見劣りする成果しか得られないであろう。
一人ひとりにも求められる課題設定力
「あるべき姿」を設定するというと、「それはマネジメント層の仕事だろう」と思われるかもしれない。
しかし、現代のビジネスシーンでは、この課題設定が現場のビジネスパーソン一人ひとりに求められているのである。
かつては「言われた仕事をその通りにやるのが一番」という考えがあった。
「何をやるべきか」はマネジメント層が考えることで、現場は言われたことを忠実に迅速に実行する。
環境変化が予測できた時代は、それが有効なやり方であった。
しかし今、ビジネス環境は予測不能になり、複雑性も増している。
たとえ指示されたり依頼を受けたりした仕事であったとしても、「そもそもなぜこれをやるのか?」「どうあるべきなのか?」「本質的な問題はどこにあるのか?」「もっと良いやり方はないのか?」と自らの頭で「何をやるべきか」を考えることが、一人ひとりに求められている。
もちろん、「何をやるべきか」という回答が、的外れであってはならない。
相手の期待を上回る成果につなげる課題設定をする必要がある。